2021年03月17日、韓国の『大宇造船海洋』(DSME)がインドネシアと共同で建造を終えた3隻目の潜水艦がインドネシア海軍に引き渡されました。
↑引き渡し式典の模様を報道するインドネシアメディア『Tribunnews』
この潜水艦は韓国とインドネシアの協力によって建造された潜水艦の掉尾を飾るもので、
・Ardadedali-404(アルダデダリ-404)
に続き、「Alugoro-405(アルゴロ-405)」となりました。「Nagapasa-403」は韓国のドックで建造されて2017年8月28日にインドネシアに到着しています。「Ardadedali-404」同様に『大宇造船海洋』の建造です。
しかし、今回の「Alugoro-405」は、『大宇造船海洋』の協力の下、インドネシアの『PTPAL造船所』で建造されました。この建造過程でインドネシアに技術移転が行われるという話だったのですが……。
インドネシアのプラボウォ国防相(Pravowo)は「莫大な予算をかけたのに、潜水艦の性能にはいささか失望している」と国会で述べています。
そのためなのか、もともとは12隻建造する計画だったのですが、この3隻でどうも韓国との潜水艦建造は打ち止めになる模様です。
先にご紹介したことがありますが、韓国の潜水艦に対して、
・潜行能力がスペックと違って低い
・韓国からの技術移転が十分ではない
という不満があることがインドネシアメディアでは報じられています。少なくともインドネシアメディアでは「4隻目もいこう!」というような論調ではありません。
今回の引き渡し式を報じた韓国メディア『亜州経済(韓国版)』では、
(前略)
「さらに進む潜水艦2次事業において最も重要な要素である技術伝授と協力関係構築でパートナーシップを深める道をいくことを期待する」
(後略)
とバク・ズソン大宇造船海洋副社長の言葉を引いてますが、潜水艦事業が次に進むかどうかは白紙状態というのが本当のところなのです。フランスやロシアがインドネシアに「潜水艦買いませんか」と打診していることも報じられていますので。
(吉田ハンチング@dcp)