韓国『双竜自動車』の本筋、アメリカ合衆国『HAAHオートモーティブ・ホールディングス』による買収がなるや、ならざるやの話はまだ霧の中です。先にご紹介したとおり、03月末までとにかく待ってみるしかないようです。
何度もいいますが、『HAAHオートモーティブ・ホールディングス』が本当に買収する意志があるのかないのか誰も確認できていません。『双竜自動車』側が「買収に強い意向を示している」と強弁しているのをメディアも報じているだけですので。これがハッタリだった場合は、目も当てられないことになります。
ゾンビ状態でそれでも工場を動かしている『双竜自動車』ですが、2021年03・04月も従業員の給与を半額にするという交渉を労使間で行っています。これは01・02月に続いてのこと。
本筋の合間の幕間狂言みたいな話ですが、いつまでこんなことを続けるのでしょうか。部品メーカーの方はなんとか再説得して供給を続けてもらえることになっていますが、いつまた供給が止まるか分かりません。
「破綻処理の後、買収すればいい」という話
『HAAHオートモーティブ・ホールディングス』からすれば、今すぐに火の中に手を突っ込んで栗を取るよりももっといい手があるのです。
裁判所による破綻処理が終わった後、二束三文で買えばいいのです。
先に、破綻済みの『イースター航空』の買収に手を上げている企業があることをご紹介したときに触れましたが、「破綻処理によって債務の清算が行われた後」で買収するのであれば、現在のように「買収してスグに3,700億ウォン払え」なんてことにはなりません(『双竜自動車』が未納な税金・滞納している給与などですぐに払わないといけないのです)。雇用の調整もゼロから行えます。
この期に及んでもなお『双竜自動車』労働組合は「人的な構造調整には強く反発している」とのことで、気持ちはもっともですが、これでは『HAAHオートモーティブ・ホールディングス』も買収を忌避するでしょう。
このような点を指して、債権団のトップともいうべき『産業銀行』の李東杰(イ・ドンゴル)会長は「私が思うに『双竜自動車』の労使はまだ安易だ」と発言しています。「甘い」というわけです。
つまり、『HAAHオートモーティブ・ホールディングス』は急ぐ必要はありません。破綻処理になるまで待てばいいのです。
さて残り1週間余り。『HAAHオートモーティブ・ホールディングス』は本当に買収の決定をするでしょうか? さっさと破綻処理に入った方が、『イースター航空』のように手を上げる企業が増える可能性が高いと思われますが。
(吉田ハンチング@dcp)