2020年に韓国『LG化学』のバッテリー部門が独立して完全子会社としてなった『LGエネルギーソリューション』。
電気自動車用バッテリーの需要が世界的に高まっているため、業績好調で独立後すぐにIPO(新規株公開)も視野に入れて……だったのですが、全く皮肉な結果となりました。
独立した第1期は赤字になったと分析されています。
『LGエネルギーソリューション』自身が公開していないため、あくまで推測なのですが、韓国『NICE信用評価』は『LGエネルギーソリューション』の第1期を、
と推定しました。これは全く予想を裏切る結果といえます。なにせ、『LG化学』時代の業績から、
営業利益率:5%
は固いというのが当初の『LG化学』の目論見でした。
「13兆ウォン」の「5%」ですから、営業利益は「6,500億ウォン」(約631億円)ないとおかしいのです。それが「-1,667億ウォン」では、天地で「8,761億ウォン」(約792億円)も違います。
ここまで目論見が狂ったのは、例の『現代自動車』の「コナ・エレクトリック」の火事騒ぎによるリコールのせいです。
『LGエネルギーソリューション』は自社製(『LG化学』時代)の電池セルの製造不良の責任を取ることになり、リコール費用「5,550億ウォン」(約538億円)を負担することになりました。
上記の『NICE信用評価』の予測は、営業利益を「6,500億ウォン」(5%)ではなく、「3,883億ウォン」(約377億円)と読んでいるため、
となるわけです。ただ、『LGエネルギーソリューション』が分社化だ!と意気上がっていた時期と比べると、やはり目論見は「8,761億ウォン」も狂ったことになります。とにかく赤字ではIPOもできませんので、もう1期回すことになりました。
この1期の間に電池セルのシェアが下がったり、赤字になったりなどがないといいのですが。とにかく燃えそうな電池セルはもう二度と製造しないことは必須です。
(吉田ハンチング@dcp)