現在の新冷戦の状態を「清朝末期」にたとえる識者もいらっしゃいます。アメリカ合衆国と中国の対立状況が世界各国を巻き込み「反中国」としてまとまりつつあり、それが1900年に北京に攻め込んだ「8カ国連合軍」を彷彿(ほうふつ)とさせる――というのです。
中国側でもそれをひしひしと感じているようで、中国共産党の英語版の御用新聞『Global Times』に以下のようなタイトルの記事が出ました。
US cannot replicate ‘Eight-Nation Alliance’ against China
アメリカ合衆国は中国に対する「8カ国同盟」を再現できない
同記事は、クアッドにフランスが参加して軍事演習を行った(2021年04月03~05日)ことを受けたもの。記事の一部を以下に引用します。
(前略)
クアッドメンバーは、より多くのパートナーと協力しているように見える。しかし、実際には「Quad-plus-French drill」(先に行われた軍事演習:筆者注)のような動きは象徴的なものに過ぎず、地域情勢に大きな影響を与えるものではない。
中国はもはや120年前の姿ではない。
アメリカがいくら同盟システムを強化しても、新しい「8カ国同盟」を作ることはできないだろう。
⇒参照・引用元:『Global Times』「US cannot replicate ‘Eight-Nation Alliance’ against China」
1900年当時の8カ国連合軍メンバーは、
アメリカ合衆国
イギリス
ドイツ
フランス
イタリア
日本
ロシア
オーストリア・ハンガリー帝国
イギリス
ドイツ
フランス
イタリア
日本
ロシア
オーストリア・ハンガリー帝国
でした。こうして見るとメンバーはそう変わっていません。ロシアは「どさくさまぎれのかすめ取り」が得意な国ですので、対立が激化し中国が負けそうと見れば、ころっと連合に参加する可能性が高いでしょう。
中国が虚勢を張っているようにも見える記事です。
(吉田ハンチング@dcp)