中国の『中国華融資産管理』(China Huarong Asset Management Company:国有金融企業)という企業をご存知でしょうか。Money1では、中国でもまれに見る汚職事件の舞台となった企業として先に取り上げています※。
同社の頼小民元会長は汚職・重婚の罪で摘発され、すでに死刑が執行されています。この頼会長は中国で「財神爺(福の神)」といわれた人物です。
とんだ福の神もあったものですが、その震源地となった『華融資産管理』の行く末が今懸念されているのです。つまり、国営企業でありながら「飛ぶ」のではないか、と。
『華融資産管理』の社債急落! デフォルトを起こすか?
『華融資産管理』は03月末期限であった2020年の決算書をいまだ提出しておりません。
『華融資産管理』の件を報道し続けている『Bloomberg』によれば、2021年03月下旬に1ドル(100セント)を超えていた同社の社債は急落。
(表面利率:3.375%/額面:1ドル)
まできました。
このような急落は(いくら信用できないとはいえ)中国国営企業としては異例です。同社は社債によって約420億ドル(約4兆5,692億円)の債務を負っており、このうちの約171億ドル(約1兆8,603億円)が2020年末までに償還予定とのこと。
この金額がデフォルトするだけで相当なものですが、ことはそれだけでは済みません。
『華融資産管理』は、不良債権を引き受けるための、簡単に言えば「バッドバンク」の役目を果たしており、これが飛ぶなんて事態になると不良債権があふれ出てデフォルトの連鎖反応が広がる可能性が高いのです。
中国の4,400の金融機関のうち545もが中央銀行から破綻可能性が高いとされています。
中国の国有最大規模のバッドバンクである『華融資産管理』がデフォルト騒動を起こすかどうかにご注目ください。
※以下の記事を参照のこと
(柏ケミカル@dcp)