中国「千人計画」参加者コカ・コーラの機密窃盗で有罪判決!1.2億ドルの技術窃盗

広告
おススメ記事

参加者に多額の研究費や好待遇を保証する代わりに、その研究の知的財産権をよこせと要求、あるいは企業の知的財産の窃盗を強要する中国の「千人計画」。

2021年04月22日(現地時間)、アメリカ合衆国で「千人計画」に参加していた中国系アメリカ人化学者「Xiaorong You博士」(別名:Shannon You/59歳)に対する有罪判決が宣告されました。

You博士は2020年08月に起訴されましたが、罪状は、

企業秘密窃盗の共謀
経済スパイ活動の共謀
盗んだ企業秘密の所持
経済スパイ活動、および通信詐欺の罪

です。この企業秘密窃盗の対象というのが、あの『コカ・コーラ』なのです。

1億2,000万ドルの技術窃盗に中国は「千人計画賞」を授与!


↑合衆国司法省のホームページに掲載された本件文書

といっても「コカ・コーラのレシピを盗む」などのロマンチックなものではありません。飲料缶の内側に使用する「ビスフェノールAフリー(BPAフリー)コーティングの処方」に関する貴重な企業秘密んだとされています。

「ビスフェノールA」(主にポリカーボネート、エポキシ樹脂と呼ばれるプラスチックの原料として使用される)は食品用の容器に使用される物質なのですが、これには人体に有害な影響を与えるという研究があり、飲料に触れる内側には特殊なコーティングが施します。その処方レシピを盗んだというわけです。

上掲の司法省の文書によると以下のようになっています。

(前略)
Youは、ジョージア州アトランタの『The Coca-Cola Company(コカ・コーラ)』とテネシー州キングスポートの『Eastman Chemical Company(イーストマン・ケミカル)』に勤務していたときに、これらの企業秘密にアクセスすることができた。

盗まれた企業秘密は、『Akzo-Nobel(アクゾノベル)』、『BASF』、『Dow Chemical(ダウケミカル)』、『PPG』、『Toyochem(トーヨーケム:東洋インキSCホールディングス株式会社の100%子会社)』、『Sherwin Williams(シャーウィン・ウィリアムズ社)、『Eastman Chemical Company』などの大手化学会社やコーティング会社のもので、開発には1億2,000万ドル近くの費用がかかりました。

裁判で提出された文書や証拠によると、Youはこの企業秘密を盗んで、中国で新たにBPAフリーのコーティング会社を設立した

Youと彼女の中国の企業パートナーである『Weihai Jinhong Group(ウェイハイ・ジンホン・グループ)』は、新会社を支援するために中国政府から数百万ドルの補助金を受け取った(Thousand Talents Plan賞(千人計画賞:筆者注)を含む)。

『ウェイハイ・ジンホン・グループ』だけでなく、中国政府、山東省、ウェイハイ市そして中国共産党に利益をもたらそうとしたことが、これらの文書やその他の証拠によって証明された。
(後略)

被告人がYouという名前なので、日本語に訳すとジャニーさんの「Youやってみればいいじゃん」みたいな文章になりますが、述べられているのは完全にスパイ行為であり、知的財産権の窃盗です。

読者の皆さんはこう思われませんか?

日本企業もやられているのではあるまいな――と。

⇒参照・データ出典:『日本国 厚生労働省』公式サイト「ビスフェノールAについてのQ&A」

⇒参照・引用元:『アメリカ合衆国 司法省』公式サイト「Ph.D. Chemist Convicted of Conspiracy to Steal Trade Secrets, Economic Espionage, Theft of Trade Secrets and Wire Fraud」

(吉田ハンチング@dcp)

広告
タイトルとURLをコピーしました