アメリカ合衆国と韓国の首脳会談が2021年05月21日に行われます。韓国メディアではこの会談で韓国がワクチンを確保できるように合衆国に要請すると報道されています。
例えば、韓国メディア『中央日報(日本語版)』の記事では以下のように書かれています。
李秀赫(イ・スヒョク)駐米韓国大使が新型コロナウイルスワクチンと関連し、「韓米首脳会談を控え米国政府または米国の製薬会社からワクチンを早期供給されるかに関心が大きくなっている。
米ホワイトハウス・国務省関係者との接触を通じ6月までにワクチンを供給されるよう最善を尽くしたい」と明らかにした。
(後略)⇒参照・引用元:『中央日報(日本語版)』「駐米韓国大使『6月までにワクチン受け取れるよう、米ホワイトハウス・国務省との接触に最善』」2021年05月11日
あの厚かましいワクチンスワップとやらの話はさっぱり聞かなくなったので、さすがに無理スジだと諦めたのかもしれませんが、駐韓米国大使は「06月中に」という非常に切迫した発言です。05月21日に会談を行って06月中にワクチンを供給しろという要求ですのでかなりの無茶といえます。
この発言の背景には、韓国にワクチンのストックが尽きかけている状況があるのではないかと推測されます。
先に、韓国が新たに『ファイザー』から2,000万Shot分のワクチンを確保したことについてご紹介した際に記事に入れ損なったのですが、あの時点(2021年04月25日)で「これから韓国に入ってくるワクチンの数量」と「すでに到着したワクチンの数量」は以下のように予想されていました。
『アストラゼネカ』:157万4,000Shot分
『ファイザー』:175万Shot分
『COVAXファシリティ』:54万9,000Shot分
『ノババックス』:-
『モデルナ』:-
『ヤンセン』:-
小計:387万3,000Shot分
第2四半期までに納品予定
『アストラゼネカ』:700万Shot分
『ファイザー』:525万Shot分
『COVAXファシリティ』:196万5,000Shot分
『ノババックス』:協議中
『モデルナ』:協議中
『ヤンセン』:協議中
小計:1,421万5,000Shot分
※韓国メディア『毎日経済』集計
韓国のワクチン接種数は『NHK』まとめのデータによると2021年05月11日時点で「418万1,003回」ですから、到着した分はすでに使い切り、第2四半期到着予定分のうちどの程度が実際にあるのか分かりませんが、韓国政府の予定通りには確保できていないと考えられます。
本当に第2四半期に上掲の数量が到着したとしても累計は「1,808万8,000Shot分」。韓国政府が「確保した」と発表しているワクチンの全量「1億9,200万Shot分」のわずか「9.4%」にすぎません。
そのため、上掲のように駐米韓国大使が焦った発言をしているのでしょう。
(吉田ハンチング@dcp)