最近、韓国の経団連といわれる『全国経済人連合会』は非常に興味深いリポートを連発しています。2021年05月11日、「最低賃金」についてのリポートを出しました。
このリポートでは、アジア18カ国の最低賃金の推移について分析を行った結果についてまとめています(基データは『Trading Economics』など)。
18カ国とは、
韓国
日本
中国
台湾
香港
ベトナム
インドネシア
マレーシア
フィリピン
ミャンマー
ラオス
カンボジア
タイ
インド
パキスタン
スリランカ
オーストラリア
ニュージーランド
※法廷最低賃金を定めていない「シンガポール」「ブルネイ」を除く
日本
中国
台湾
香港
ベトナム
インドネシア
マレーシア
フィリピン
ミャンマー
ラオス
カンボジア
タイ
インド
パキスタン
スリランカ
オーストラリア
ニュージーランド
※法廷最低賃金を定めていない「シンガポール」「ブルネイ」を除く
です。
2016~2020年の上掲18カ国の最低賃金の上昇率を比較してみると、韓国が「9.2%」でアジア第1位となったのです(上掲は『全国経済人連合会』のリポートから引用)。
最低賃金を1万ウォンに上げるという公約を掲げていた文在寅大統領が就任したのが2017年。そのため韓国の最低賃金はぐいぐい上がって、アジア第1位の上昇率を見せたわけです。
しかし、この文さんの公約は実現されていません。産業界からの猛反発を食らい、またこの政策のおかげで企業の製造拠点が海外に移転することが加速されたからです。
『全国経済人連合会』がこのようなリポートを公表したのも、末期になった文在寅政権への嫌味という意味がいささかあるのかもしれません。
実際、このリポート内には、「日本、中国では最低賃金を凍結しているというのに……」という部分があります。産業界からの怨嗟の声というわけです。しかし、今さら恨んでみても海外に出て行った企業は戻ってきません。
労働賃金には「下方硬直性」という特性があって、上げたものはなかなか下げることができないのです。韓国は文在寅政権の間に輸出産業が拠点とすべき場所ではなくなってきたというわけです。
⇒参照・引用元:『全国経済人連合会』「韓国の最低賃金引き上げ率と絶対値の両方でアジア1位」
(吉田ハンチング@dcp)