韓国の関税庁は、毎月10日、20日に輸出入の現況を報告しています。そのデータをもって韓国メディアでは「輸出が○カ月連続増加」などの報道が出ます。
しかし、Money1では何度もご紹介しているとおり、問題は「輸出よりも輸入が増え、貿易のもうけが逆に減っていること」です。
いくら輸出が増えてももうけが減ったらなんにもなりません。
しかし、面白いことに輸出が減っているという数字もあるのです。これこそ「大丈夫なのか」というデータです。
韓国の海洋水産部が公表した「韓国貿易港の輸出入貨物取扱量」の「全国港湾コンテナ取り扱い量」では以下のようになっています。
⇒参照・引用元:『韓国 海洋水産部』公式サイト
2021年第3四半期の輸出入は「412万8,000TEU」(約413万TEU)で、これは前年同期の「407万3,000TEU」より確かに増加しています。
コロナ禍で景気が底だといわれた昨年よりも、輸出入が活発になってコンテナを運ぶ量も増えたのです。
しかし、この下の細目、輸出入のコンテナ数が面白いのです。
輸出:206万TEU(-2.2%)
輸入:207万TEU(+5.1%)
小計:413万TEU
輸入:207万TEU(+5.1%)
小計:413万TEU
なんと輸出のコンテナ数は減少しているのです。で、韓国の最近のトレンドのまま輸入のコンテナ数は輸出を上回って増加しています。天地で「7.3%」も違います。
輸出のコンテナ数が減っているのは驚きです。
韓国釜山港で輸出待ちのコンテナが山積されている件を先にご紹介したことがありますが、船便が見つからない、そもそもコンテナが不足など、いわゆる物流大乱といわれる状況がこのような数字になって現れたものと見られます。
(吉田ハンチング@dcp)