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韓国「復讐するは我にあり」。尹新大統領の秘蔵っ子が「法務大臣に就任したら反撃する」

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検察から捜査権を完全に剥奪する法案」が文在寅大統領の判断によって公布となりました。文大統領は、大統領の拒否権を発動するどころか、むしろ「成立して当然」といわんばかりのコメントを出しました。

ここまでは文大統領と『共に民主党』の思いどおりかもしれませんが、この後が問題です。

文在寅の積弊を清算せよ!

これで文大統領はじめ文政権関係者の捜査を行えなくなったと考えるのは早計です。

なにせ、文大統領と直接の遺恨を持つ尹錫悦(ユン・ソギョル)さんが新大統領になるのです。何度もご紹介しているとおり、尹錫悦(ユン・ソギョル)さんは「文政権の積弊は清算されなければならない」と明確に述べています。

また、尹錫悦(ユン・ソギョル)さんは検察畑一筋で生きてきた人です。「検察から捜査権を完全に剥奪する法案」を強行採決され、古巣が骨抜きにされたことに怒り心頭でないはずがありません。

現在はまだ大統領に就任していないため、文政権に対する非難も小さめですが、指名した長官人事が全て完了し、駒が持ち場いついたら反撃を開始するものと思われます。

その兆しが現れています。

法務部長官になったら反撃を開始する!

2022年05月03日、次期尹錫悦(ユン・ソギョル)政権の初代法務部長官(法務大臣に相当)に指名された韓東勳(ハン・ドンフン)さんが、「法務部長官になったら手段を講じる」旨の発言を行いました。

韓国メディアから以下に発言を引きます。

「検察完剥法案の無理な立法の推進で、犯罪者たちは罪を犯しても処罰されず、力のない国民だけが被害を受ける制度的瑕疵が生じた」

「検察の直接補完捜査や補完捜査要求が廃止されると、事件処理が遅れ、責任の所在が不明確になる」

重要犯罪への対応力も低下し、権力を持つ人々に対する捜査が不可能になり、一般庶民に被害が伝わるだろう

「こうした被害を最小化できるように実務体系を整備し、可能な手段を慎重に検討して対応していく

⇒参照・引用元:『ソウル経済』「韓東勳(ハン・ドンフン)『検収完了、同意できない…全ての手段を検討して対応する』」

韓東勳(ハン・ドンフン)さんは、先にご紹介したとおり、現政権与党『共に民主党』に左遷され執拗な嫌がらせを受けた人です(検事長だったのに4度も閑職に左遷されています)。

しかし、尹錫悦(ユン・ソギョル)新大統領は、韓東勳(ハン・ドンフン)さんの能力を高く評価しており、いわば秘蔵っ子的存在。今回の法務部長官抜擢もその現れです。

嫌がらせの限りを尽くしたことが自分で分かっていますので、『共に民主党』側は韓東勳(ハン・ドンフン)さんが次の法務部長官に指名されたときに「報復人事だ」などという噴飯ものの声を上げました。

『国民の力』、また尹錫悦(ユン・ソギョル)さんからすれば「報復するは我にあり」なわけですが、問題はすんなり法務部長官のポストにつけるかどうかです。

これは、全ての政府機関の長官にいえるのですが……。

「まず首相を通す!」次に長官を通す戦術

大統領に長官ポストに指名された全ての人物は、国会で人事聴聞会を受けなければなりません。

読者の皆さまもご存じのとおり、現在韓国の国会は『共に民主党』が172議席を押さえています(姑息な偽装離党を合わせた数)。

尹錫悦(ユン・ソギョル)さんの思いどおりの長官人事などさせるものかと手ぐすね引いて待っている状況です。ましてや「報復人事だ」と自分たちが認識している法務部長官など「通してなるものか」という対応になることは火を見るよりも明らかです。

しかし、長官人事は聴聞会の手続きを踏めば、国会の賛成がなくても、国務総理(= 首相)の申請によって決定することができます。

つまり、尹錫悦(ユン・ソギョル)新政権からすれば、焦点は「国務総理」(=首相)です。『国民の力』のいうことを聞いてくれる国務総理が決まれば、あとは長官人事は思うとおりに決められるのです。

では国務総理(=首相)はどうやって決まるのかというと「国会の同意を得て、大統領が任命する」となっています。

韓国の国会法109条によれば、憲法や法に特別な規定がなければ在籍議員過半数の出席と出席議員過半数の賛成で決まります。

先にご紹介したとおり、国務総理(=首相)には韓悳洙(ハン・ドクス)さんが指名されています。

この人は、「文大統領の政治的師匠であり、弁護士事務所の相棒でもあった盧武鉉(ノ・ムヒョン)さん」の政権で国務総理(=首相)を務めたことがあります。

ハーバード大学で経済学博士号を取得しており、もともとは官僚でしたが、盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領時代に国務調整室長、経済副首相兼財政経済部長官、第38代国務総理を歴任しています。

日本メディアでは、尹錫悦(ユン・ソギョル)新大統領による韓悳洙(ハン・ドクス)さんの国務総理(=首相)指名について「革新政権との融和を模索か」なんて書かれていますが、とんでもない話です。

盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権の国務総理(=首相)なら文大統領はじめ『共に民主党』も反対しにくいと読んだ上での指名です。

また、韓悳洙(ハン・ドクス)さんは官僚出身ですので革新でも保守でも政治志向に囚われず仕事をしれくれるだろう――と見たのです。

尹錫悦(ユン・ソギョル)新政権からすれば、「とにかく首相さえ飲ませてしまえば後はどうとでもできる」という読みです。

一方の『共に民主党』からすれば、自分たちを危うくする新長官を阻みたければ、国務総理(=首相)を承認さえしなければいい――ということになります。

首相が決まらなければいつまでたっても政府機関の長官は決まりません。つまり、組閣できません。

卑劣極まりない『共に民主党』のやり口

すでに、韓悳洙(ハン・ドクス)さんを国務総理(=首相)にしないで済むようにという動きを『共に民主党』が始めています。「とにかく国務総理さえ通してしまえばこっちのもんだ」という『国民の力』の思惑も十分理解しているからです。

実に卑劣なことに、『共に民主党』はもともと04月25~26日に予定されていた聴聞会を拒否する、05月02~03日に延期した上、一部は行えないかもとほのめかすなど遅滞戦術を繰り広げました。

ともあれ、尹錫悦(ユン・ソギョル)新政権としては、まず韓悳洙(ハン・ドクス)さんを国務総理(=首相)に据えないと組閣が進みません。この先どうなるのかにご注目ください。

(吉田ハンチング@dcp)

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