お詫びを申し上げるための記事でもあります。先に韓国『現代自動車』(グループ)が「アメリカ合衆国に対して74億ドルを投資することに決めた」件についてご紹介しました。
記事内で、
と書きましたが、実は『現代自動車』の場合、海外に工場を造る際には労働組合の合意を得なければならないという労使協定を結んでいるのです。
↑『現代自動車』労組が公開している「団体協約(2015年)」の第5章42条3項
2016年07月27日に公開されている「団体協約(2015年)」には、以下のような文が含まれています。
海外工場新設や車種投入による組合員の雇用に影響を与える事項は、労使共同委員会の議決を経るものとする。
また、同7項には以下のようにあります。
7.当社は、次世代の車種(ハイブリッドカー、燃料電池車、電気自動車など)の開発後の生産工場の配置は、市場環境、収益性、生産性などを考慮して決定するが、国内工場を最大限優先して配置して生産、国内工場の組合員の雇用に影響を与える事項は、労使共同委員会を通じて審議、議決する。
この項のため、海外工場での電気自動車の生産については労使が協議して議決されないとできません。
いずれにいたしましても、『現代自動車』の場合、労使の協約によって経営陣の一存では海外に新規工場を建設できません。
従いまして、先の記事の記述「その戦略策定は経営陣の専権事項」は誤りでした。ここに深くお詫びを申し上げます。誠に申し訳ありませんでした。
『現代自動車』は労働組合の合意がなければ海外に工場を造り、電気自動車の生産もできないのです。
⇒参照・引用元:『現代自動車支部』公式サイト「団体協約」
米韓首脳会談での投資発表はマズくないのか?
――ということは、です。先の米韓首脳会談で韓国側がバイデン大統領に対して「『現代自動車』が合衆国に8兆4,000億ウォンを投資します」なんて表明してしまったのは大変にまずいのではないでしょうか。
(吉田ハンチング@dcp)