破綻して法定管理下に入った韓国『双竜自動車』は、会計監査法人の調査報告書待ちとなっています。これは、『双竜自動車』は清算した方が得なのか、それとも再建した方が得なのか、いわば企業の値踏みを行った結果を報告するものです。
「人件費」こそが問題である
現在、再建方向で動いているので、「再建した方が得」という調査報告が待たれるのですが報告書の提出は遅れています。
その理由は――なにせ17四半期連続赤字という企業ですから、再建した方が得という結果を出すのが難しいからだと推測されています。
韓国の場合には、労働組合の力が強く、従業員の調整も容易には進みません。しかし、再建できる、再建した方が得だ、というには人員調整が不可避と考えられます。
また、人員調整を行ってスリムにし経費負担を軽減しないと、同社を買収しようという意思のある企業が忌避するでしょう。さらに、新オーナーが同社を買収しても利益が出なければ、結局また破綻します。
労使間で「骨を削る覚悟」の案が出る
同社労使が話し合った結果、「従業員の50%を最大2年間無給休業」とする案が持ち上がりました。
この賛否が、2021年06月07~08日に同社労働組合の組合員総会にかけられます。プランは具体的には以下のような内容です。
(会社の状況を見ながら最大この措置を1年間延長する)
賃金削減と福利厚生の中断:2023年06月まで延長(2年間)
役員給与:20%削減
労使団体協約の交渉周期:3年ごと(現行2年)
経営の正常化まで賃金引き上げを行わない・関連争議も行わない
かなり重い内容で、韓国メディア『亜州経済(韓国版)』は「業界では、今回の案の中身について『双竜自動車』が生存のために骨を削る最後の決断を下したと評価している」と報じています。
このような案が、次週の組合総会で可決されるかどうかご注目ください。
⇒参照・引用元:『亜州経済(韓国版)』「벼랑 끝 쌍용차, 회생 불씨 살릴까…자구안 투표 촉각」
(吉田ハンチング@dcp)