韓国政府が33兆ウォンという韓国市場最大の補正予算を組んでばらまき(非難して使っている言葉ではありません)を行きますが、これについて韓国メディア『ソウル経済』がちょっと面白い批判記事を上げています。
先にご紹介したとおり、この33兆ウォンの中には「災害支援金:15兆7,000億ウォン」の他に「国債償還:2兆ウォン」が入っています。
つまり、国債発行によって作った借金2兆ウォン分は返済します。そのために補正予算33兆ウォンのうちの2兆ウォンを使います――というわけです。
しかし、『ソウル経済』記事は、国家債務が2021年には117兆ウォン(約11兆4,660億円)増えて「963兆9,000億ウォン」(約94兆4,622億円)に達することが分かっているので、もっと国債の償還に使ったらどうなんだという主旨です。
ただし、これは韓国政府にとっては「できない相談」です。なぜならロールオーバーできるうちは国債の元本減らしなどしても無駄で、使っちゃった方がいいからです。だからこそ、洪楠基(ホン・ナムギ)副首相兼企画財政部長官は申し訳程度の「2兆ウォン」しか入れなかったのです。
筆者など、この2兆ウォンを入れたところに洪長官の正直といいますか、かわいらしさを見ます。「償還なんかしませんよーだ」で「ゼロ」でも良かったのですが、世論の批判には応えておこうとしたわけで、決して憎めない点です。
また、『ソウル経済』は、「財政法」第90条を出して批判しています。同法によれば、決算後の剰余金は国債償還に活用されること、となっているのに、決算前に突っ込むとはなにごとかという主旨です。
違うのです。「決算後だと国債償還に使われてしまう。ロールオーバーできるうちは償還しても無駄なので、今もう使っちゃおう」という姿勢なのです。
次の大統領がもし、李在明(イ・ジェミョン)京畿道知事になったら国債をばんばん発行して政府債務を積むことになるでしょう。いけるところまでいきましょう。
(吉田ハンチング@dcp)