韓国で「大丈夫なのか?」という動きがあります。韓国の銀行が住宅ローンの新規貸し出しを停止し始めたのです。
韓国の五大銀行の中で真っ先に住宅ローンの扱い停止を表明したのは『農協銀行』。2021年08月24日~11月30日の間、住宅ローン、チョンセ用のローンなど住宅関連ローンの新規受付を停止します。
この動きに、他の銀行も追随する動きを見せています。『ウリィ銀行』は08月20日からチョンセ用のローンの取り扱いを大幅に縮小。先にIPOで話題になったネット銀行『カカオバンク』も同様に不動産関連ローンを絞ります。
これは韓国金融当局の指導によるものです。
家計負債の急増を止めるため
韓国の金融当局が銀行に不動産関連ローンを停止させているのは、家計負債の増加を止めるため、また不動産価格の上昇を止めるためと考えられます。
まず家計負債。
家計負債が急増して、『韓国銀行』だけではなく、『IMF』(International Monetary Fundの略:国際通貨基金)、『BIS』(Bank for International Settlementsの略:国際決済銀行)まで懸念を表明しています。
家計負債の最大のものはなんといっても住宅ローンです。新規の不動産関連ローンを停止すれば、増加速度を抑えることができる、と企図したものと思われます。
次に不動産価格。
不動産ローンを停止すれば、買える人が少なくなって価格も上昇しないという理屈でしょう。この先は2つ考えられます。住宅ローンを利用せず、別の融資を使って家を買おうとする人が増えてやっぱり不動産価格は下がらない。もう一つは、これで住宅を購入できる人が減るので住宅価格は下がる。
ただし、不動産市場に流入する資金を減少させるわけですから、これが効き過ぎると、不動産価格の調整局面を招くかもしれません。つまり、日本のバブルを崩壊させた総量規制のように機能する可能性がないわけではありません。
なので、まず2カ月止めてみようとおそるおそる絞っているのだと思われます。
韓国の不動産価格は明らかに異常な高値になっていますので、どこかで必ず調整局面が来ます。問題は、その調整つまり価格の下落をコントロールできないことです。どこが底になるのか、誰にも予測はできません。
『韓国銀行』の予測によれば、調整幅が20%に達したら韓国経済は甚大な被害を受けます。ご注目ください。
(吉田ハンチング@dcp)