韓国の公的年金が危なくなってきました。
識者の中には「韓国の国民年金はポンジ・スキーム(出資金詐欺)だ」と断じる方もいらっしゃいますが(本稿末の記事参照)、韓国の年金制度は国民年金だけではありません。
・公務員年金
・軍人年金
・私学年金
が4大公的年金ですが、危なくなってきました。
公的年金の支出は急増している
韓国の企画財政部によれば、上掲の4つの公的年金の支出額は、2022年には59兆2,869億ウォン(約5兆6,322億円/対前年比:6.2%増加)に到達する予定です。
2021年:55兆8,236億ウォン(約5兆3,032億円)
2022年:59兆2,869億ウォン(約5兆6,322億円)
2023年:65兆1,174億ウォン(約6兆1,861億円)
2024年:70兆614億ウォン(約6兆6,558億円)
2025年:75兆3,616億ウォン(約7兆1,594億円)⇒参照・引用元:『韓国 企画財政部』公式サイト
上掲のとおり、4大公的年金の支出は急増します。
これを掛け金だけで賄(まかな)えればいいのですが、そうはいかないところが危なくなってきた所以です。賄えないため、国庫から足りない分を補てんする必要があります。
国民年金はまだしも、他の3つの公的年金の「財政収支の赤字金額」は急増します。以下がその推移予測です。
「公務員年金」「軍人年金」「私学年金」赤字金額の推移予測
2022年: -5兆6,013億ウォン(約-5,321億円)
2023年: -8兆9,128億ウォン(約-8,467億円)
2024年: -9兆6,832億ウォン(約-9,199億円)
2025年:-11兆2,498億ウォン(約-1兆687億円)※データ引用元は同上
この赤字は政府が負担しなければなりません。また、社会的セーフティーネットの支出ですので削減することができません。政府と国民との契約だからです。
政府が国庫負担しなければならない金額の推移は以下のようになります。
2021年: 8兆577億ウォン(約7,655億円)
2022年: 8兆7,106億ウォン(約8,275億円)
2023年: 9兆2,750億ウォン(約8,811億円)
2024年: 9兆8,114億ウォン(約9,321億円)
2025年:10兆4,381億ウォン(約9,916億円)※データ引用元は同上
韓国は日本などよりはるかに速く老いていく国ですので、やがて国民年金も赤字に陥り、国庫負担はさらに多くなります。これを止めることは恐らくできません。
(吉田ハンチング@dcp)