くしくも日韓共に「政治の季節」になりました。韓国では大統領選挙予備選が熱くなっており、日本では『自由民主党』(自民党)の総裁選挙が焦点になっています。
韓国でも『自民党』総裁選は注目されています。
ここまでは、岸田文雄さん、茂木敏充さん、河野太郎さん、石破茂さんがメインに紹介されていたのですが、安倍晋三前首相が高市早苗さんへの支援を表明したことから、俄然状況が変わりました。
韓国メディアでの高市さんの露出が急増したのです。
しかし、韓国メディアでの高市さんの紹介は非常に偏った紹介になっています。
以下は韓国メディア『OhmyNews』記事の一部引用です。
(前略)
05日、日本のマスコミは安倍元首相が自分の政治路線に近い高市前総務相を支持することにしたと一斉に報じた。このおかげで、安倍元首相が属する自民党内最大派閥である「細田派」でも高市前総務相を支持するという議員が増えている。
これが派閥がない高市前総務相が総裁選立候補に必要な20人の推薦人を集めることができた理由でもある。所属派閥の支持が保証されていない河野担当相や岸田前政調会長と対比される。
安倍内閣の総務相を務めた高市は現職閣僚でありながら靖国神社を定期的に参拝し、韓国、中国など周辺国の反発を買った。
彼女は去る03日、衛星放送BSフジに出演して「首相になっても継続靖国神社に参拝する」とし「これは個人的な信仰であって、外交的問題が絶対ではない」と主張し、「右翼本性」を存分に表わした。
過去にも、日本の侵略戦争と植民地支配を謝罪した「村山談話」が不適切で、日本の自衛隊も先制攻撃圏を持つべきだと主張し、自民党内の剛性保守層の支持を得た。
また、日本でも女性首相が出なければならないという即時性まで掲げている。高市前総務相が公式立候補する女性が総裁に挑戦したのは、2008年小池百合子東京都知事(当時衆議院)以降で『自民党』史上2度目だ。
右翼性向の『産経新聞』は「安倍元首相が支持意思を明らかにすることで自民党内の保守派の支援を受けることが期待されている高市前総務相が総裁選の流れを変えるものと見られる」と予想した。
しかし、右翼性向があまりにも強いので支持を外縁に拡張することが難しいので、新しい総裁を前面に出してすぐに総選挙を行わなければならない自民党としては、高市前総務相のような一般的な有権者の選好度が落ちる人物を党の看板として掲げるのは危険である、という懸念も出ている。
(後略)
※赤アンダーライン、強調文字は筆者による(以下同)
以下は『聯合ニュース』の記事です。
(前略)
安倍政権時代に自民党政調会長や総務相などの要職を歴任した高市は、歴史問題などと関連し、安倍に劣らない右翼性向を示している。彼女は総務相在職時代、隣国の批判をものともせずに閣僚の身分で靖国神社を繰り返して参拝した。
今月03日に民営衛星放送に出演して靖国神社参拝が「信教の自由」に関する問題だと主張し、首相になっても変わらず参拝するという意を表明した。
高井は自民党政務調査会長時代には、日本が侵略戦争と植民地支配について謝罪した村山談話と関連し、「侵略」という表現が適切でないと主張するなど、日本の加害責任を否認する態度を見せたりした。
現時点で高市が総裁に当選するかどうかは不透明だ。
(後略)⇒参照・引用元:『聯合ニュース』「『靖国常連』高市、安倍支援で日首相に挑戦」
以下は『朝鮮日報』の記事です。
(前略)
1993年、並んで衆議院に当選した安倍前首相と高市は右派政治路線を共有してきた政治的同志だ。05日、『朝日新聞』は高市を総裁選に飛び込んだ次期候補者の中で、安倍の路線に最も近い人物だと評価した。実際、高市は日本のアジア侵略を謝罪した1995年の村山談話を批判し修正を要求した。
当時外務委員会で、「少なくとも私自身は(戦争)当事者とすることができない世代」とし「反省のようなことはしていない」と発言した。
憲法改正を主張し、A級戦犯を合祀(合祀・合同祭祀)中の靖国神社を常連参拝する政治家でもある。彼女は最近も「首相になっても靖国神社参拝は続けたい」と述べた。
高市は明らかな右派性向のせいで中道から支持される可能性は大きくない。
大衆の認知度も低く、安倍一人だけの支持では大勢になるには力不足との指摘が多い。女性の支持をどれだけ集めることができりるかにも疑問符が付く。
高市は安倍第2次政権では2014年に女性初の総務相となり「最長在任」の記録を立てるなど、さまざまな「女性初」のタイトルを受けてきた。
しかし、「女性政策」は全くないと批判を受ける。女性を「赤ちゃんを産む機械」に例えた発言で物議を醸した男性だけが優位となる現行制度や、結婚すれば、女性が事実上、男性の姓に従う夫婦同性(同姓)の改正にも反対する。
(後略)⇒参照・引用元:『朝鮮日報』「初の女性日首相怖い…安倍支持で急浮上した高市」
総じて「右翼政治家」といった扱いで、出てくる単語も「靖国神社」「村山談話」となっています。韓国の方々にとってはそのような点が最重要なのかと分かります。
韓国メディアは「一般に支持を集めるのは難しい」と断じていますが、これは一種の恐れと取ることも可能です。韓国メディアがこれほど恐れているのですから、日本としての正解は「高市早苗総裁」一択なのかもしれません。
(吉田ハンチング@dcp)