韓国「経常収支」82億ドルの黒字。なぜサービス収支の赤字がこんなに少ない?

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2021年09月08日、『韓国銀行』が07月時点での「国際収支統計」を公表しました。以下のようになっています。

2021年07月
貿易収支:57億2,640万ドル(約6,495億円)
サービス収支:-8,220万ドル(約-93億円)
第1次所得収支:28億420万ドル(約3,223億円)
第2次所得収支:-2億3,770万ドル(約-269億円)
経常収支(上記4つの合計):82億1,070万ドル(約9,313億円)

⇒参照・引用元:『韓国銀行』公式サイト「2021年7月の国際収支(暫定)」

経常収支の黒字が大きい数字となっていますが、この要因の一つは「サービス収支」がいつもの月より「本当に?」というぐらい赤字が少なく済んだためです。

上掲のとおり、07月はサービス収支の赤字がわずか「8,220万ドル」となっています。

韓国の経常収支の構造は、先にご紹介したことがありますが、

貿易収支:非常に大きな黒字
サービス収支:赤字
第1次所得収支:黒字
第2次所得収支:小さな赤字

という構造になっています。普通は「サービス収支」「第1次所得収支」「第2次所得収支」を足すと赤字になるため、経常収支を黒字にするためには貿易収支が大きな黒字でなけれなならないのです。

つまり、通常なら「経常収支 < 貿易収支」なのですが、これを裏切る結果となっています。

07月時点での「サービス収支」の赤字幅がいかに小さく済んでいるのか、以下を見てください。

サービス収支の赤字が小さく済んでいるのは明らかにコロナ禍のためです。サービスの収支を示すサービス収支は、海外旅行が制限され、海外のサービスを利用しないで済んでいるため赤字金額が小さくなっているのです。

「サービス収支」の月平均金額
2019年:-22.4億ドル
2020年:-13.5億ドル
2021年:-4.3億ドル

2021年は01~07月

上掲のように、コロナ禍の中、韓国はサービス収支の赤字幅が縮小しています。これが経常収支を大きくした原因です。コロナ禍によって韓国は資金流出を小さくしできていると見ることも可能です。韓国にとっては思わぬ恩恵かもしれません。

(吉田ハンチング@dcp)

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