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韓国はトリプル安に見舞われている。「キャピタルフライト」懸念

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ここのところ韓国では「通貨安(ウォン安)」「株安」が明らかになっていますが、これに加えて「債券安」も注目されるようになっています。

まず、通貨安と株安の傾向をチャートで見てみます(チャートは『Investing.com』より引用:以下同)。

ローソク足1本が1カ月の値動きを示す「月足」です。

Money1では債券についてはあまりご紹介してきませんでしたが、以下をご覧ください。韓国債の利率の推移です(2021年10月04日12:50現在/(チャートは『Investing.com』より引用)。


↑韓国債の利率は上昇傾向にあります。

ご覧のとおり、韓国債の利率は上昇傾向にあります。これは韓国債の価格が下落していることを意味します。

つまり韓国債が売られている・忌避されていることを示しています。

利率が上がるのはいいことじゃないの?と思われるかもしれませんが、債券の場合には「債券価格が落ちる ⇒ 利率が上がる」というメカニズムが面倒くさいのです。

国債の場合、そももそも「額面金額は決まっている」「利率も決まっている」にもかかわらず、いくらで買えるのかは時価です。

例えば、韓国債3年物が「額面:1,000円」「表面利率(年利):10%」だったとします。

これを購入した人は、毎年定期的に「1,000円 × 10%」で「100円」の利子払いが受けられます。

3年物なので「100円/年」 × 3年で「300円」の利払いがもらえて、満期となったら元本の1,000円も返ってきます。

この韓国債3年物を「800円」で購入できたらどうなるでしょうか?

「額面:1,000円」で「表面利率:10%」であることは、発行元である国が約束したことなので変わりません。つまり「800円」で購入できても「100円」の利子払いを受けられます。

そうすると「800円の投資で年に100円もらえる」ので、年利は「12.5%」と、表面利率より良くなります。

利率が上がるということは国債の価格が下落しているということを意味するのです。つまりは、その国債に人気がなく売られている・忌避されているというわけです。

逆にいえば、その国の国債利回りが低ければ低いほど「その国の信用度が高い」といえるのです。

投資家が資金を投じたいと考える国債は人気があるので価格が高くなり、その分利率は下がりますから。

ドイツや日本の長期国債利回りがほぼゼロ%であるということは、それだけ信用力が高いということなのです。

トリプル安は韓国からの資金流出を意味する

上掲のとおり、韓国では「株式」「債券」「通貨」のトリプル安の様相を呈しています。

株式が安くなっているということは、株式が売られているわけで、これは資金流出。国債の利率が下がっているということは、忌避されており売却に向かっているわけで、これも資金流出。通貨安ということは、ウォンが売られている(ドルに両替されている)わけですからこれも資金流出です。

トリプルで韓国からの資金流出になります。

しかもマズイのは、株安債券安が同時に進行していることです。普通は、株式が下がっても、その資金は債券に向かう(つまり国債の金利は下がる)ものです(株式と債券には逆の相関があるとされるため)。ところが、直近の傾向ではそうはなっておりません。

株安と債券安が同時進行する構えを見せています。

総じて、トレンドは韓国からの資金逃避(キャピタルフライト)傾向を示しているといえるのです。大丈夫でしょうか。

(吉田ハンチング@dcp)

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