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モルガン・スタンレー「韓国SKハイニックスは駄目。冬が来るよ」目標株価を54%も引き下げ!

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韓国は「半導体強国」などと誇っていますが、これはメモリー半導体だけに限った話であって、システム半導体についてはからっきし、車載用半導体もそのほとんどを輸入に頼っています。

AIブームで、メモリー需要が伸びたというので半導体輸出が回復した――と韓国の産業通商資源部は大喜びしていたのですが、また暗雲です。『モルガン・スタンレー』が韓国の大手半導体メーカー『SKハイニックス』の目標株価を大きく下げ、「冬が迫っている」というリポートを出しました。

なんて書いてあるかというと――、

Today, we have conviction that the DRAM tide is beginning to turn for pricing and downgrade SK Hynix to Underweight from Overweight with 26% downside potential to our new price target.

本日、DRAMの価格動向が転換し始めているという確信を持ち、『SKハイニックス』の格付けを「オーバーウエイト』から『アンダーウエイト』に引き下げました。

新たな目標株価に対して26%の下落余地があります。

Our peak cycle signposts are flashing red now: Our primary concern is that once the current cyclical boost for DRAM fades, Hynix may be left with a challenged NAND business that is already worsening. Add upside risk to production normalizing, and considering the sharp increase in capex for DRAM and HBM, and we believe risks after 2024 are being underappreciated.

当社のサイクルのピークを示す指標が今、赤信号を点滅しています。

最大の懸念は、現在のDRAMサイクルによる景気刺激が終わると、『SKハイニックス』はすでに悪化しつつあるNAND事業に課題を抱える可能性があることです。

生産の正常化に伴う上振れリスクや、DRAMおよびHBMに対する設備投資の急激な増加を考慮すると、2024年以降のリスクが過小評価されていると考えています。

――となっています。これは投資家に対する警告です。

「アンダーウエイト(underweight)」ですので、『SKハイニックス』に対する投資比重を減らせ――という意味です。

このリポートは韓国メディアにも衝撃を与えています。

なにせ、輸出が回復したと言いながら内実は「半導体の一本足打法」なので、これがこけると本当にどうしようもないからです。

実はもうどうしようもなくなっているのですが、韓国メディアと韓国政府はいまだに「韓国はこれからも経済発展する」と大本営発表を続けています。

例えば、『韓国経済』は以下のように書いています。

(前略)
『モルガン・スタンレー』は15日、「冬がすぐに迫る(Winter looms-Double downgrade to UW)」というタイトルで『SKハイニックス』に関する報告書を出し、目標株価を既存の26万ウォンから12万ウォンに下げた。
(後略)

『モルガン・スタンレー』の目標株価が「26万ウォン ⇒ 12万ウォン」に大幅下落した――とガッカリしています。

「26万ウォン ⇒ 12万ウォン」は「-53.8%」になります。

『モルガン・スタンレー』は、

「DRAM半導体市場の実績増加率のピークは今年第4四半期だろう」

「第4四半期まではDRAM半導体価格が上昇すると予想されるが、メモリー半導体市場の売上と営業利益の増加率はすぐに悪化し始めるだろう

2025年から業況が崩れ始め、2026年まで過剰供給状態に直面するだろう

と読んでいます。なぜこんなことがいえるかというと、おなじみの「フィラデルフィア半導体指数」を見ての読みです。

たいていの投資家はこの指数は見ていて当然なので、まあ『モルガン・スタンレー』に言われなくても知ってます――なのですが、韓国からすればショックでしょう。せっかく輸出が回復したと思っていたのに、また暗闇になるのか――ですから。

ちなみに、現在の『SKハイニックス』の株価がどうなっているかというと……以下をご覧ください(チャートは『Investing.com』より引用)。

下落トレンドだったのものが秋夕前に盛り返したと見えたのですが、秋夕開けの19日にその上昇を台無しにするギャップダウンとなりました。残念でした。

これも一つのデッド・キャット・バウンスでしょうか。

「デッド・キャット・バウンス」とは?
投資関連ニュースで「デッド・キャット・バウンス(deadcatbounce)」という言い回しが登場することがあります。「deadcatbounce」はそのまま「死んだネコが跳ねる」という意味ですが、これは「株価が大きく下落した際に一時的に小...

いずれにせよ、『モルガン・スタンレー』の読みが正しければ、『SKハイニックス』の株価にはあまり期待が持てないことになります。また、『SKハイニックス』の業績が傾くのであれば、韓国経済にも期待が持てません。

「冬が来る前に♪」ですね。

追記
このリポートが出る前の13日、モルガンソウル(『モルガン・スタンレー』ソウル支店)で『SKハイニックス』株式の売り注文の枚数が101万1,719株に達していたことが分かりました。当日終値基準で計算すると1,647億ウォンになります。リポートが出る前です。『ソウル経済』のスクープです。

(吉田ハンチング@dcp)

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