韓国の『電子』の株式は時に国民株といわれる銘柄です。韓国を代表する企業で流動性も高いので、個人投資家のみならず外国人投資家からも第一の取引対象となります。
しかし、『サムスン電子』の株価は低迷を続けています。以下をご覧ください(チャートは『Investing.com』より引用)。
なんとか7万ウォンより上で推移していますが、とにかく上がりませんので、さらに下にいく可能性もあります。
Money1では毎日KOSPIの状況をご紹介していますが、韓国株式市場では外国人投資家が買い越してくれないと株価が上がらないことが多いのです。
ところが、直近で外国人投資家は『サムスン電子』の株式を手放す傾向を強めています。
韓国メディアには「外国人投資家が『サムスン電子』を見限ったのではないか」という観測が出て注目されています。
観測の基になっているのは、『サムスン電子』株式における外国人投資家の保有比率です。
外国人投資家はこれまで『サムスン電子』を50%以上保有してきたのですが、これが2021年11月08日時点で「51.2%」まで下がっているのです(韓国取引所のデータによる)。
この保有比率の下落傾向は、2021年01月11日に『サムスン電子』が「9万1,000ウォン」をつけたときの「55.7%」からずっと右肩下がりです。
なにせ、外国人投資家の『サムスン電子』株式の保有比率は2016年04月29日以来、ここまで5年半年以上、50%未満に下がったことはありません。2019年07月31日には最高値「58.0%」に達しました。
にもかかわらず、51.2%にまで下がってしまいました。外国人投資家が『サムスン電子』を見限ったのではないか、という観測が出るのも無理がないかもしれません。
2021年に、外国人投資家は『サムスン電子』普通株式を2億7,692万株売り越しています。金額にして21兆5,983億ウォン(約2兆734億円)です。
08月13日には、この1日だけで3,155万株を売り越しました。金額にすると「2兆3,567億ウォン」(約2,262億円)になります。Money1でもご紹介しましたが、この日の下げは強烈なもので、韓国の個人投資家から悲鳴が上がるほどでした。
『サムスン電子』株式には個人投資家が大量に資金を投入しているため、同銘柄の浮沈は韓国の個人投資家の資産に大きな影響を与えるのです。この先、外国人投資家が『サムスン電子』株式をどのように売買するのか、非常に注目されます。
(吉田ハンチング@dcp)