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「韓国自動車は絶滅する」という悲観。『現代』『起亜』も弱体化を続けている

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以前からご紹介しているとおり、韓国メディアは妙に悲観的、自虐的な記事を出すことがあります。

韓国メディア『ChosunBiz』に「絶滅する韓国産(made in korea)』自動車」という扇情的なタイトルの記事が出ました。これも悲観的・自虐的な記事の例といえるでしょう。

同記事が嘆いているのは、韓国自動車産業の衰退についてです。

明暗くっきりの韓国自動車企業

韓国の完成自動車メーカーの代表格は以下の5社です(電気自動車専門のスタートアップなどは除きます)。

『現代自動車』
『起亜自動車』
『韓国GM』
『ルノーサムスン』
『双竜自動車』

しかし、業績がもっているのは『現代自動車』と『起亜自動車』のみ。『起亜自動車』は『現代自動車』のグループ企業になっていますので、韓国自動車産業の屋台骨は事実上、『現代自動車』1社が支えているのです。

残りの3社は、

『韓国GM』 ⇒ 赤字
『ルノーサムスン』 ⇒ 赤字
『双竜自動車』 ⇒ 破綻して企業再生模索中

という状況です。再生に暗雲が見えてきた『双竜自動車』はひとまず置くとして。

Money1でも何度もご紹介しているとおり、『韓国GM』『ルノーサムスン』については、親会社の『GM』『ルノー』が韓国からの撤退をちらつかせており、なんとか維持している状況です。

特に問題なのは会社側と労働組合の関係です。

韓国では労働組合の力が強く、経営側は常に譲歩を余儀なくされています。業績が赤字でも賞与や特別給が要求され、ストライキが決行されたりしますので、『GM』や『ルノー』が韓国から撤退しないのが不思議なくらいです。

親会社が「韓国から撤退したい」のは明らか

『ChosunBiz』の記事では『GM』が『韓国GM』を枯死させるつもりだと指摘しています。記事の一部を以下に引用します。

アメリカ合衆国『ゼネラルモーターズ(GM)』が韓国工場の「枯死作戦」に突入したようだ。

『GM』のナンバー2、スティーブ・キーパー海外事業部門社長が今月初め訪韓し、韓国工場でも電気自動車を生産できるかと思われたが、期待は裏切られた。

電気自動車の追加生産量を約束しなかったし、むしろ国内で発売する新車を全て輸入して販売するという計画を明らかにした。

⇒参照・引用元:『ChosunBiz』「絶滅する『韓国産(made in korea)』自動車」

『韓国GM』は韓国の工場に仕事を割り振らない「作戦」に出たとしています。生産性が低いと判断されたわけです。需要が高まっている電気自動車の生産を韓国の工場に割り当ててストライキでも起こされたらかなわん――という考えもあるでしょう。

注目は以下の部分です。

富平と昌原にある『韓国GM』工場は年間60万台以上を生産する能力を備えているが、『GM』は工場に仕事を与えておらず半分以上の設備を錆びさせている

『GM』は去る2018年、『産業銀行』から8,000億ウォンを支援される対価として「10年間工場を維持する」と約束したが、この状態であれば『GM』は約束した2028年になれば未練なく工場を撤収するものと見られる。

もうずいぶん昔のように感じますが、『GM』は確かに韓国に対して「10年工場を維持する」として支援金8,000億ウォンを受け取っています。赤字続きなのですぐにも撤退したいでしょうが、この約束のため律儀に工場を維持しているのです。

『ルノーサムスン』も似たようなものですが、「ルノーの持つ世界の工場19の中で下から3番目に生産性が低い」「製造コストはスペイン工場の2倍」と露骨に韓国工場のダメな点を指摘し、撤退をほのめかせています。

自動車産業は裾野が広いといわれます。

すなわち、完成自動車会社の周りには部品を納入する企業のみならず、工場で働く人を相手にした飲食店まで、多くの人々の生業を成立させています。

『GM』『ルノー』が撤退すれば、『韓国GM』『ルノーサムスン』に働く人の職が失われるだけではなく、それら自動車産業の生態系に生きる人々も仕事がなくなることになるでしょう。

『ChosunBiz』の記事では以下のように書いています。

(前略)
『GM』と『ルノー』本社が韓国工場を狙って出した発言を見ると、明日工場の稼働を止めてもおかしいくない。

13年間赤字を持続した『双竜自動車』の再生は不透明な状態であり、国内では米国の『テスラ』や『リビアン』のようなスタートアップが登場する兆しも見えない。

最悪の場合、数年後には「メイドインコリア」完成車を販売する企業が現代車グループの1カ所しか残らない状況が発生する可能性もある。
(後略)

データ引用元は同上

このような認識をもって、同記事では「メイドインコリアの自動車」は絶滅するかもしれない、としているのです。指摘は概ね正確で的を射ているでしょう。

『現代自動車』『起亜自動車』も大丈夫ではない

『韓国GM』『ルノーサムスン』『双竜自動車』は、韓国自動車企業の中では明らかに負け組なわけですが、では、現在勝ち組に残った『現代自動車』『起亜自動車』の2社は大丈夫なのでしょうか(実質1社ですが)。

それがそうでもないのです。

『現代自動車』『起亜自動車』の先行きが危ぶまれるのは、販売台数の低下が明らかだからです。以下をご覧ください。

⇒参照・引用元:『自動車産業ポータル MARKLINES』
上記サイトのデータを基にMoney1でグラフ化しました

『現代自動車』と『起亜自動車』の新車販売台数は上掲のとおり右肩下がりです。

2015年には『現代自動車』496.5万台、『起亜自動車』305.1万台あった販売台数が、2020年には『現代自動車』374.4万台(24.6%減少)、『起亜自動車』260.7万台(14.5%減少)まで縮小しています。

ですので、『ChosunBiz』の記事では「メイドインコリアの自動車は1社のみになるかも」としていますが、1社も残らない「絶滅」もあり得ると見なければなりません。

Money1では何度かご紹介していますが、韓国の自動車産業は弱体化を続けているのです。

(吉田ハンチング@dcp)

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