文在寅政権が間もなく終わりますので、各メディアで文大統領のレガシーについての報道が見られます。保守寄りの『朝鮮日報』では文政権に対する厳しい記事が目立ちます。
2022年01月22日、『朝鮮日報』は、文政権下で良い雇用とされる「フルタイム雇用」(週36時間以上勤務)が185万個消え、週36時間未満で勤務する時間制雇用が229万個増えた、と報じました。
これは同紙とあの『全国経済人連合会』が共同で統計庁の公表データを分析した結果とのこと。
『全国経済人連合会』のサイトには本件についてのプレスリリースが出ていませんので、データの詳細がよく分かりませんが、『朝鮮日報』の記事から一部を以下に引用します。
21日、本紙と全国経済人連合会が共同で統計庁雇用資料を分析した結果、文在寅政府が発足した2017年には2,193万人あったフルタイム就業者は毎年減少し、昨年2007万8,000人までに減った。減少率8.4%だ。
(中略)
製造業でも文政府発足以来、フルタイム雇用が35万3,000個減った。
特に脱原発直撃弾を迎え、4年間で2,000余りの雇用が飛んだ『斗山重工業』が代表的だ。
(後略)
安定しているフルタイム雇用が減り、不安定な時間制雇用が増えた――というのが雇用大統領の成果と結論付けられそうです。
また、韓国は製造業の「製品」を輸出することで国が成立していますから、製造業でフルタイム雇用が減ったことは全く良くありません。
記事では『斗山重工業』を例に引いていますが、同社は文在寅大統領のために会社が傾いた企業代表といっていいでしょう。
2年前にご紹介しましたが、韓国の原子力産業の一角を担う『斗山重工業』は、「脱原発」政策のせいで売り上げが激減し、コロナ禍の2020年経営が傾き、飛びかけました。それで結局、国が支援することになったのですが、つまり国民の税金で企業を救ったわけです。要らないはずの出費でした。
文在寅大統領は自らを雇用大統領などと誇ってきたわけですが、その結果は決して自慢できるものではありません。もちろん、韓国の皆さんが「素晴らしい成果」とおっしゃるのならそれでもいいですが。
(吉田ハンチング@dcp)