アメリカ合衆国の政策金利が「0.75~1.00%」となり、韓国の規準金利が「1.5%」なので、米韓の金利差が縮まっています。
金利差の縮小および逆転は、韓国からの資金流出の誘因となります。資金はより増えるところへ移動するからです。韓国は基本的には合衆国よりも規準金利は高くなければいけません。
『韓国銀行』が金利の目標設定を始めたのは1999年05月です。
これ以降で、米韓の政策金利が逆転した時期が3回あります。
①1999年06月~2001年03月
②2005年08月~2007年08月
③2018年03月~2020年02月
②2005年08月~2007年08月
③2018年03月~2020年02月
『LG経営研究院』が出した「韓米政策金利逆転拡大および外国人資金流出リスク診断」では、①②の場合には、外国人の資金は流入したとなっています。
ただし……なのです。
①1999年06月~2001年03月
株式資金:+205億ドル
債券資金:-31億ドル
借入資金:-173億ドル
小計:+1億ドル②2005年08月~2007年08月
株式資金:-231億ドル
債券資金:+578億ドル
借入資金:+708億ドル
小計:+1,055億ドル
確かに①②共に資金流入となっていますが、②は債券と借入での資金流入ですので、これは元利返済が必要な借金が増えたことを示しています。
※『LG経営研究院』のリポートは2018年のものなので③についてのデータがありません。
『LG経営研究院』の米韓の金利差が逆転しても資金は流入するというこのリポートに対して、『韓国経済研究院』は「金利差0.25%当たり約15兆ウォン(国内総生産の0.9%)」の外国資本が流出するとしています。
先にご紹介したとおり、『韓国銀行』の李昌鏞(イ・チャンヨン)総裁は米韓の金利差がたとえ逆転したとしても「すぐに資本流出が起こるとは考えにくい」と述べています。本当にそうなのかは注視する必要があるでしょう。
(吉田ハンチング@dcp)