韓国の次期大統領選挙まで2カ月を切りました。各候補とも自分の公約を明らかにして、選挙戦終盤を戦う準備をしています。
政府与党『共に民主党』の統一大統領候補である李在明(イ・ジェミョン)さんは、2021年01月11日に「経済政策基調」を公表する予定です。
その内容について既に韓国メディアからリークが始まっています。
先にご紹介した「555公約」、すなわち「世界第5位の国(G5)になる、国民所得5万ドルを達成する、KOSPI(韓国総合株価指数)を5,000に到達させる」はそのまま盛り込まれる模様です。
夢のある公約ではありますが、ほとんど実現性はありません。ドルの価値が半分にでもなれば別ですが。
11日に発表される経済公約は名称も検討されており、「イジェノミクス(仮称)」となっています。
日本ではあまり知られていませんが、文大統領の場合には「ムン・ジェイン」から取って「Jノミクス」でした。ちなみに文大統領は第1号公約として「公共部門での雇用81万個」を表明しました。
「イジェノミクス」では500万個の雇用創出規模を考えている、と報じられています。これには11月23日に公表した「デジタル大転換」における「民間雇用創出:300万個」が入っているとのこと。
しかも、当時「200万」と言ったものを300万に増やしての算入です。
それは企業が決めることだろうという「民間雇用:300万個」。これを勝手に大統領候補が宣言するのはいかにも無責任に思えますが、135兆ウォン規模の投資が行われるので達成可能だそうです。
重要な注目ポイントは、これまであれほど声高に主張してきた「基本所得(ベーシックインカム)」が公約から落ちそうなことです。
政府の負担が大きく、実現するためには新税の導入を行わなければならないため、反対意見が根強いのを考慮したと見えます。
先にご紹介したとおり、李在明(イ・ジェミョン)さんの主張する基本所得導入については、『韓国銀行』が「我々が選択した資本主義を歪める」という主張を公開するぐらいですから、公約に入れて支持率を落とすのは得策ではないと判断したのでしょう。
まだ案の段階でのリークですが、「イジェノミクス」の内容が正式に公表されたら、またご紹介いたします。実現不可能な公約ばかり並んでいないといいのですが……。
(吉田ハンチング@dcp)