2022年の最初の1カ月、韓国の金融面はドタバタでした。通貨安・株安・債券安に見舞われており、韓国政府、『韓国銀行』は金融の不安定な状況を注視しています。また、国内ではインフレが継続中ですし、輸入物価の高騰によって貿易収支が縮小するという状況です。
残り11カ月もありますが、韓国経済がどのようになるのかシンクタンクも心配しているようです。
あの『全国経済人連合会』から「韓国経済の5つのリスク」という興味深いリポートが出ました。しかし『全国経済人連合会』の公式サイトに見当たりません(2022年01月31日現在)。
不本意ながらリポートについて紹介した、韓国メディアの記事から要点を引用します。
『全国経済人連合会』が挙げた、2022年の韓国経済5大リスクとは以下の5つです。
⑤はリスクですが、人間の手でどうにかするには限界があるのでスルーします。
①の「原材料価格の上昇に伴うインフレ」は既に顕在化しています。これのため、輸出金額よりも輸入金額が膨らみ、韓国にとって最重要の貿易収支が減少傾向にあります。
減っても黒字ならいいのですが、通関ベースの統計によれば、2021年12月は赤字確定、2022年01月も赤字で締まるのではないかと懸念されています。韓国は貿易収支が赤字になると、とたんに危なくなりますので確かにこれは大きなリスクです。
②の通貨緊縮は、とにかく「ドル」の行方です。まだ利上げが始まってもいない段階ですでに「1ドル=1,200ウォン」を超えています。もし本格的に合衆国で利上げが始まったら、ウォン安が急伸するのではないか、という懸念はあります。これも大きなリスクです。
しかし、『全国経済人連合会』は、③中国の景気後退と④米中紛争の合わせ技が韓国にとって最大のリスクとしています。
というのは、韓国は中国との貿易に依存度が高く、そのため中国の景気が減速すれば当然大きな影響を受けるからです。最大の貿易相手から思うように利益が上がらなければ韓国経済は大打撃を受けるでしょう。
以下に『全国経済人連合会』のこのリポートを紹介した、韓国メディア『毎日経済』の記事から注目ポイントを以下に引用します。記事の結びの部分が最重要です。
『韓国銀行』の調査によると、中国の成長率が1%下落すると、韓国の経済成長率は0.1~0.15%下がる。
『全国経済人連合会』関係者は「韓国は対中国輸出依存度と中間財輸入依存度が高く、中国景気鈍化による成長率下落避けられない」とし「予見される危機状況に備えなければならない」と話した。
中国の経済成長率の公表データはそもそも信用が置けるものではありませんが、「中国の-1%」は「韓国の-0.1~0.15%」というのは興味深い点です。
『全国経済人連合会』が「予見される危機状況に備えなければならない」と、もう来るのが分かっているといった口調で述べているのにも注目です。「当たるも八卦、当たらぬも八卦」といいますが、このような『全国経済人連合会』の予見はどこまで正しいでしょうか。
中国の景気後退に韓国がどのぐらい揺れるのかに注目いたしましょう。
(吉田ハンチング@dcp)