2022年02月15~16日、韓国とイランの間で実務者協議が行われました。
「金融および原油/石油製品関連事案を議論するための実務協議」という実にこう意味深なタイトルの協議です。
当然、あの「韓国による原油代金70億ドルの不払い」についてが協議されました。
この協議は、2022年01月06日にウイーンで開催された「イラン韓国外交次官会談」で「両国間の懸案事項を議論するために実務専門家協議を行う」と合意したことによって開催されました。
どうなったのかを韓国の外交部が2022年02月16日出したプレスリリースで見てみましょう。以下です。
イラン側は『イラン中央銀行』(CBI)、石油部、国営石油公社(NIOC)が訪韓し、韓国側代表団(外交部、企画財政部、KOTRA)との実務協議のほか、関連企業などと面談進行中
□金融問題に関連して、両国はこれまで制裁下でも人道的貿易持続のために努力してきた点を評価しながら、同貿易過程で発生したさまざまな技術的懸案を含め、凍結資金関連全般的な事項を協議した。
特に、韓国側は現在ウイーンで進行中のイラン核合意(JCPOA)復元交渉の妥結による凍結資金移転など制裁関連の懸案解決に対する期待を表明し、イラン側は凍結資金問題の早期解決を強調した。
□両国は、ウイーンでの核交渉の進展に伴う制裁解除を前提に、原油/石油製品貿易についても議論を進めている。
□両国は、今回の実務協の成果を基盤に、今後両国間の懸案解決と経済協力復元のための努力を続けていく予定だ。終わり。
⇒参照・引用元:『韓国 外交部』公式サイト「韓-イラン懸案関連実務協議の開催」
凍結資金についての記述にご注目ください。
「韓国側は現在ウイーンで進行中のイラン核合意(JCPOA)復元交渉の妥結による凍結資金移転など制裁関連の懸案解決に対する期待を表明し……」などと書いています。
要は、核合意復帰がなって「制裁が緩和され、凍結資金が移転できるようになったらいいね」と言っています。つまり、「それまでは70億ドルは支払いません」という表明です。
これに対してイランは「凍結資金問題の早期解決を強調した」ですから、「早く金払え!」と言ったわけです。
スゴイのは「制裁解除を前提に、原油/石油製品貿易についても議論を進めている」と書いている点です。
韓国は現在資源価格高騰によって貿易のもうけが減るという困った事態になっています。とにかく原油をできるだけ確保しないといけません。
そのような背景があるためでしょうが、原油代金70億ドルを支払っていないのに、原油供給についての交渉をイランと行っているのです。
韓国「制裁が解除されたら、また原油を売ってくださいね!」
イラン「お前は代金を払わねぇじゃん!」
まるでコントです。イラン側出席者が高血圧で倒れないか心配です。
またリリースが出たらご紹介します。
(吉田ハンチング@dcp)