韓国のウォンが、ドル枯渇でドボン寸前だった2020年03月期の安値近くまで安くなっています。
さすがに韓国メディアでも「ダメだー」という嘆きの記事が出ております。『ソウル経済』の記事から一部を以下に引用してみます。
(前略)
世界的なドルの強さを勘案しても、ウォンは弱い。07日、ウォンは1.05%の低下を見せ、ドルインデックスの上昇率(0.62%)より大きく反応した。
ユーロ(-0.68%)、円(-0.43%)、人民元(-0.0%)など他の通貨より大幅に下落した。
最近5取引日基準で見てもウォン価値は2%急落し、インドネシアルピーの次に落幅が大きかった。
ウォン安の幅は中国人民元対比10倍、台湾ドル対比4倍だ。
チュウォン現代経済研究院経済研究室長は、
「原材料価格の上昇による経済のファンダメンタルな衝撃に、外国為替市場規模が小さいという生まれつきの限界も明らかになった」とし
「韓国通貨は変動性が大きいため先進国ではなく新興国通貨と見るしかない」
と話した。
「ウォンは基軸通貨になれる」なんていっていたはずですが……「先進国ではなく新興国通貨と見るしかない」と身の程を知った発言が出ています。
文章だけではイメージが湧かないと思いますので、新興国通貨と「基軸通貨になれるウォン」をチャートで比較してみましょう。
こういうときは『Bloomberg』のチャートが一番きれいです。以下をご覧ください(チャートは『Bloomberg』より引用)。
オレンジの線:ドルウォン
マゼンダの線:ドル台湾ドル
青色の線:ドルシンガポールドル
黄色の線:ドルインドネシアルピー
緑色の線:ドル人民元(オフショア)
上掲は、直近1カ月の各通貨の対ドルレートの推移です。Money1でいつもご紹介しているのと同じで、上にいけば通貨安、下にいけば通貨高です。
この5つの新興国通貨の中で、ウォンがダントツに安くなっています。1カ月で「3.3223%」の通貨安です。
つまり、これはウォンがいかに脆弱な通貨であるかの証明です。
どこに基軸通貨になれる芽があるというのでしょうか。新興国通貨の中でもこれほど弱いのに。
(吉田ハンチング@dcp)