韓国『LG化学』のバッテリー事業部を完全子会社として独立させたのが『LGエネルギーソリューション』という会社です。
世界的に電気自動車の人気が高まったので、車載用二次電池を製造する『LGエネルギーソリューション』もこれから発展するぞ!ということで、2022年01月27日、同社は満を持してIPO(新規株式公開)を行いました。
これは、韓国史上最高の114兆ウォンもの証拠金を集めた超大型IPO案件でした。
『LGエネルギーソリューション』の株価が現在どうなっているかというと……以下をご覧ください。
上場初日の初値が「59万7,000ウォン」で、直近03月11日の終値が「39万1,000ウォン」です。40万ウォンを割って、上場来の最低価格更新です。
ただし公募価格の「30万ウォン」はまだ割っていません。
株価は「34.5%下落」し、時価総額「48兆2,040億ウォン」が蒸発しました。
IPO株というのは、公募に当たった人が売り逃げしますから低迷するものですが、それにしても苦しい株価推移といえるでしょう。
「またか」という話なのですが、韓国メディアでは「外国人投資家の空売りのターゲットになっている」という記事が出ています。
韓国取引所のデータによれば、外国人投資家は「1,882億ウォン」を売っています。実は『LGエネルギーソリューション』株式はこの日から空売りが可能になりました(韓国株式市場ではいまだに空売り規制を行っています)。
11日の空売り取り引き金額は「7,155億ウォン」で、『LGエネルギーソリューション』は「2,626億ウォン」ですから、同社株式の空売り金額だけで全体の36.7%にも達します。
しかし、これは予見できたことですから、外国人投資家を攻めるのはお門違いです。空売りも売買戦術のひとつと認めて市場に参加するしかありません。外国人投資家が悪い、空売りが悪いと非難ばかりしていると、「韓国株式市場は先進国市場ではない」と『MSCI』に指摘されるのではないでしょうか。
(吉田ハンチング@dcp)