だから言わんこっちゃない、という話です。通関ベースとはいえ、2022年03月、04月と連続で貿易赤字を記録したことで韓国政府が狼狽した模様です。
2022年05月02日、韓国の産業通商資源部は「最近の輸出入状況と主要貿易局動向の確認」のために会議を催しました。以下はプレスリリースですが、注目ポイントを和訳しました。
本日の会議では、商務官と『KOTORA』貿易館長が
・ロシア(ロ・ウ事態)
・中国(都市封鎖)
・インドネシア(パーム油輸出制限)
・ミャンマー(新外国為替政策)の最近の現地動向と韓国の輸出入に及ぼすリスク要因を発表した。
➀ (ロシア)ウクライナ侵攻(2.24)以降、金融取引制限、技術・部品流入制限、ロシア産エネルギー輸入禁止、輸送・物流制限、グローバル経済秩序からの排除など国際的な制裁が行われている。
○今回の事態で韓国の対ロシア輸出は自動車、鉄鋼などを中心に大幅に減少し、前年比70%以上減少。
*主要品目対ロシア輸出増減率(04月1~25日)
自動車:-97.3%
自動車部品:-87.4%
鉄鋼:-89.2%➁ (中国)中国の最大物流中心地である上海地域の封鎖が1カ月以上持続*されており、その余波などで4月の対中国輸出が3.4%減少した。**
*上海の04月1〜10日、貨物物量指数は前年同期比81%減少
ㅇ併せて、中国のメーデーの連休以後、コロナが拡散して都市封鎖が北京など主要地域に拡散する恐れが提起されているだけに、中国経済、物流状況などを継続的に注視し、韓国の輸出入に及ぼす影響などを点検する必要がある。
ㅇ特に、露ウ戦争が長期化される場合、ロシアに対する経済依存度がCIS加盟国など近隣国*にも否定的な影響を与え、その波及効果が韓国の輸出入にも及ぶ可能性がある。
(以下略)
これまで韓国政府は「輸出が絶好調なので問題はない」と主張してきました。それでも貿易赤字となっているのです(くれぐれも通関ベースであることに注意してください)。
ここで輸出が減少に転じるとどうなるでしょうか?
世界的な資源価格の高騰で輸入の上昇して止められません。貿易収支(貿易の赤黒)は、「輸出 – 輸入」で求めますから、輸出が減少して輸入が増加したママ減少しないということになり、つまり貿易赤字が拡大するのです。
そのため、産業通商資源部は「輸出は大丈夫なんだろうな」と会議を開いたのです。
しかし、上掲のとおり、ロシアへの輸出は「前年比70%以上減少」(対ロシア輸出はそこまで大きな比率ではないものの)、中国のロックダウンの影響で「4月の対中国輸出が3.4%減少」と暗い影を落としています。
もう何度だっていいますが、韓国は貿易収支が減少、また赤字に転落すると経常収支が大きく減少し、すぐに国が傾きます。
このような会議を開催するというのは危なくなっている証拠です。
(吉田ハンチング@dcp)