先にご紹介したとおり、韓国では「セメント大乱」という事態になっています。
ロシアからの石炭が入ってこなくなり、焼成過程で使用する石炭が急騰。2020年平均「60ドル/トン」だった価格が2021年には「130ドル/トン」まで上昇。2022年にはロシアの無法な戦争によって一時「427ドル/トン」まで上がったのです。
韓国では工事代金も上げてもらえずにきたため、セメント製造業者からしてもセメントを作っても損をするという異常な事態に陥りました。
――で、2022年第一四半期の業績が公表および報道されたのですが、結論からいえばひどいものです。
『ハニルセメント(Hanil Cement)』の業績は以下のようになりました。
2022年第1四半期
総売上:2,841億7,398万9,733ウォン
営業利益:-36億3,871万320ウォン
当期純利益:-60億7,855万8,321ウォン
営業損失が「36.3億ウォン」、当期純損失が「60.8億ウォン」に達しています。
前年同期は「営業利益:152.9億ウォン」「当期純利益:93.4億ウォン」あったのに、赤転し損失は巨額になりました。
セメント企業として有名な『高麗セメント』の営業利益は「-15億ウォン」、『双竜C&E』の営業利益は「4億ウォン」。
『双竜C&E』はプラスですが、前年同期日で営業利益は「約98%」急落しています。
ただし、工事価格がようやく上げてもらえるようになったため、セメント企業の業績はゆっくりとではありますが回復するとみられています。
しかし、工事価格が上がるということは建築費の上昇を意味し、不動産価格の上昇につながります。韓国を襲っている尋常ではないインフレはこのようなところにも及んでいるのです。
(吉田ハンチング@dcp)