2022年06月15日、アメリカ合衆国財務省から「合衆国公債の主要ホルダーと保有金額」のデータが公表されました。
2022年04月時点での韓国の保有額を見ると以下のようになっています。
⇒参照:引用元:『アメリカ合衆国 財務省』公式サイト「MAJOR FOREIGN HOLDERS OF TREASURY SECURITIES」
韓国の保有額は「1,178億ドル」で前月から「15億ドル」減少しました。
『韓国銀行』が2022年04月時点での外貨準備高をどのように公表していたのかを確認してみましょう。
2022年04月
外貨準備高:4,493億ドル(約58兆4,629億円)※
(前月比:-85億ドル)<<内訳>>
⇒Securities(証券類) 4,088億ドル
前月比:-14億ドル⇒Deposits(預金) 163億ドル
前月比:-66億ドルSDRs(IMFのSDR(特別引出権))、IMF position(IMFリザーブポジション)、Gold(金)は略。
Securities(証券類)は14億ドルの減少となっていますが、これは合衆国公債の持ち分減少「15億ドル」とほぼ合います。合衆国公債の売却によって現金を得たとして……しかし、現金たるDeposits(預金)は「66億ドル」も減っています。
ということは、15億ドル + 66億ドルで計「81億ドル」がどこかにいったことになります。どこにいったのかです。
一つの回答は「ウォン安防衛に使った」でしょう。
『韓国銀行』は04月時点での外貨準備高を公表するプレスリリースで、外貨準備高の減少について以下のように説明しています。
(前略)
ㅇ米ドルの上昇によるその他の通貨外貨資産のドル換算額の減少、外国為替市場のボラティリティ緩和措置などによる
(後略)⇒参照・引用元:『韓国銀行』公式サイト「2022年4月末の為替保有額」
『韓国銀行』自身による「為替介入したよ」という言及です。以下はドルウォンの月足チャートです(チャートは『Investing.com』より引用)。
上掲のとおり、04月は長い陽線に非常にウォン安が進行した月でした。始値は「1ドル=1,215.13ウォン」でしたが、終値は「1ドル=1,263.03ウォン」と無茶苦茶にウォン安が進行しました。
高値は「1ドル=1,276.56ウォン」です。このウォン安をなんとか抑えるため、ドル売りウォン買いで通貨防衛を行ったわけですが、その過程でかなりのドルが溶けた可能性があります。その金額は想像よりずっと多いかもしれません。
以降もウォン安は進行したので、それでも止められなかったわけですが。
(柏ケミカル@dcp)