韓国政府「知らんがな」

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読者の皆さんもすでにご存じでしょうが、2023年05月23日、韓国メディア『朝鮮日報』が「いわゆる徴用工」問題で、興味深い記事を出しました。

原告は、賠償金が支給されたら、その20%を支援した市民団体に支払うという約束をしていた――というのです。

内容証明まで送って「お金を払え!」

『朝鮮日報』の記事からポイントを引いてみます。

戦時中の日本による元徴用工被害者を支援する市民団体が被害者と11年前に結んだ合意を根拠として、第三者弁済方式で受け取った賠償金の20%を要求していることが23日までに確認された。

問題の団体は尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権による第三者弁済方式による解決策に反対してきたが、一部被害者遺族が最近それを受け入れ、2億ウォン(約2,100万円)を超える賠償金を受け取ると、合意文書を根拠に金銭の拠出を求める内容証明郵便まで送っていた。

遺族が「いかなる形であれ金銭を受け取る場合、20%を団体に支給する」という合意内容を知ったのは最近のことだったという。

「日帝強制動員市民の会」の監事を務めるK弁護士は今月1日、賠償金を受け取った被害者遺族に対し、合意文書に基づく金銭の支払いを求める文書を送り、受け取った2億5,631万3,458ウォンの20%に相当する5,126万2,692ウォンを市民の会に報酬として支払わなければならないとし、「協力をお願いする」と通告した。

K弁護士は民主社会のための弁護士会(民弁)光州・全羅南道支部出身で、団体の前身である「勤労挺身隊のおばあさんと共にある市民の会」の共同代表を務めていた。
(後略)

⇒参照・引用元:『朝鮮日報(日本語版)』「第三者弁済を批判していた韓国の市民団体、11年前の「合意」を基に遺族に賠償金の20%を要求【独自】」

高邁なご託宣を垂れる左派・進歩系の市民団体は、ご飯を食べるために原告を支援してきたのではないのか、もっとゲスい言葉でいえば、訴訟を金もうけの手段にしているのではないのか――という疑惑が湧きます。

「20%もらって何が悪いとや?」

この『朝鮮日報』のスクープに対して、極左メディア『ハンギョレ』は翌24日、「日帝強制動員市民の会『賠償金の拠出のどこが問題なのか』…『朝鮮日報』の報道に反論」という記事を出しました。

同紙は以下のように書いています。

(前略)
市民の会は23日、報道資料を発表し「原告が多くの市民、人権団体、活動家らに助けられて受け取った金額の一部を他の公益事業の基金として拠出し、社会に寄与するのが望ましい方向であり、推奨されるべきというのが私たちの判断」だと明らかにした。

(中略)

内容は、被告に損害賠償金、慰謝料、合意金など名称を問わず支給されたお金の20%を「日帝被害者人権支援事業、歴史的記念事業および関連公益事業」のために使用できるよう市民の会に交付し、

▽受任者ら(弁護団)が被告から直接損害賠償金などを支給された後、上記で定めた金額を市民の会に直接支給することに同意するとともに、

▽市民の会は支給されたお金を約定どおり使用し、委任者が生存している間は、毎年1回具体的な使途を通知することなどだ。

(中略)

彼らは「約定の内容がなぜ問題になっており、否定的な観点から言及されているのかが疑問に思う」としたうえで、「今回の『朝鮮日報』の報道は尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権の局面転換用であり、人権団体、活動家たちを国民と切り離すための意図があるものとみられる」と主張した。

⇒参照・引用元:『ハンギョレ』「日帝強制動員市民の会『賠償金の拠出のどこが問題なのか』…『朝鮮日報』の報道に反論」

20%の供出金は「他の公益事業の基金として拠出し、社会に寄与する」ために用い、あくまでも自分の懐に入れるのではないとしています。ですが、その「社会に寄与する」の内容が、市民運動に従事する者を「食べさせるためのもの」になったらどうなるのでしょうか?

運動で食べているプロ市民の飯の種です。

先にご紹介したとおり、韓国の市民団体の会計は極めて不明瞭です。文在寅政権下で市民団体に流れた政府の補助金は累計22兆ウォンを超えます。

2017~2021年の累計で22兆ウォンを超えるのです。文在寅政権は5年間で市民団体への補助金を約43.2%増やしました。

つまり、自分たちの支持層である左派・進歩系市民団体に飯の種を回してきたのです。このような市民団体の生態系を作る行為が尹美香(ユン・ミヒャン)の跋扈の素地ともなったのです。尹美香(ユン・ミヒャン)さんは、破廉恥なことにいまだに国会議員をやっています。

『ハンギョレ』の記事では、上掲のとおり『朝鮮日報』の記事を「人権団体、活動家たちを国民と切り離すための意図がある」という噴飯物の主張をしています。お金が取れなくなったら、それは国民と切り離されることになるのでしょうか。

政府の立場は?「知らんがな」

面白いのは、話が政府に振られたので、23日の定例記者ブリーフィングで本件が質問されたことです。韓国の外交部がなんと答えたのか、以下をご覧ください。

<質問>
強制徴用被害者(原文ママ:引用者注)を支援する市民団体が徴用被害者から賠償金の20%を受け取る約束を締結したという報道がありますが、政府がどのように把握しているのか知りたいですし、もし本件に関連した立場があれば教えてください。
(『メディアペン』キム・ソジョン記者)

<回答>
質問いただいた件については、私たち外交部次元では言及することがありません。

追加質問がなければ、今日のブリーフィングは終わります。 ありがとうございました。

終わり。

⇒参照・引用元:『韓国 外交部』公式サイト「外交部の説明(05.23)

韓国外交部は、完全無欠の「知らんがな」を披露しました。

そりゃそうです。原告が個人的に市民団体とした「約束」なのですから、政府がくちばしを容れることではありません。ただでさえややこしい話ですので、関わりたくもないでしょう。

尹政権としては邪魔な市民団体は潰したいでしょうが、そのためには文在寅政権が植えた裁判所の判事を根こそぎ引っこ抜かないといけません。でなければ、尹美香(ユン・ミヒャン)さんが実質的に無罪になるといった愚かしい判決が出続けることになります。

(吉田ハンチング@dcp)

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