勇ましいタイトルを付けられてしまいましたが、要は「資金繰り」の話です。先に「『韓国企業の資金調達』が行き詰まり始めた!デフォルトが連鎖する可能性アリ」という記事を上げましたが、今回はその続きのようなお話です。
2020年03月28日『朝鮮日報』に「企業『恐怖の死月』に… 信用格付け下落、誰も社債を買ってくれない」という記事が出ました。
記事自体は、現在韓国企業が陥っている
①発行した「社債」「CP」の満期償還ができない
(社債・CPでした借金の返済ができない)
②ロールオーバーができない
(新たな借金をして前の借金を返済することができない・難しい)
という事態の深刻さについて述べたものです。
①②については、先の記事でご紹介したとおりですが、具体的な数字が出ている点が注目に値します。以下に引いてみます。
04月に満期を迎える韓国国内「社債」:約6兆5,000億ウォン
『SKグループ』の「社債」償還量:6,500億ウォン
『ロッテグループ』の「社債」償還量:3,550億ウォン
『新世界グループ』の「社債」償還量:2,000億ウォン
『CJグループ』の「社債」償還量:2,200億ウォン⇒参照・引用元:『朝鮮日報』「企業『恐怖の死月』に… 信用格付け下落、誰も社債を買ってくれない」(原文・韓国語/筆者(バカ)意訳)
※強調文字は筆者による
04月に満期を迎える総額「約6兆5,000億ウォン」という社債は、金額としては1991年に統計を取り始めて以来「04月としては過去最大」とのこと。新型コロナ騒動で現金がないというのに、この巨額を償還しなければならないのです。
記事内では以下のように記載されています。
企業が資金難のために騒然としている。最近、各企業の資金担当者は次々と満期が訪れる社債のために夜も眠れない。企業にとっては一層「残酷な4月」となっている。金融投資協会によると、4月に満期となる国内社債は約6兆5000億ウォン。統計を作成した1991年以来、歴代4月満期物量の中で最大規模だ。
※強調文字は筆者による
「現金を確保せよ!」狂奔する韓国企業
新たな社債、CPを発行して凌ごうとしても「投資家が買ってくれない」という状況となっているため、現金確保を急ぐ韓国企業の動きが記事内で紹介されています。以下に引きます。
辛東彬ロッテグループ会長が最近非常経営会議を招集し、「新規投資計画の調整を介して現金流動性を確保せよ」と指令したほどだ。
『Eマート』はスターフィールドを建てる予定だったソウル・麻谷洞の土地を8,158億ウォンで売って流動性の確保に乗り出している。
『CJグループ』は「住宅ローンや社債借り換えなど、すべての案を検討中」と明らかにした。
※赤いアンダーラインは筆者による
これらも氷山の一角に過ぎず、恐らく04月末に向けて今この時も韓国企業は必死の努力を続けているはずです。
償還に失敗したら、先の記事でもご紹介したとおり破綻が連鎖する可能性があります。発端は小さなものかもしれませんが、お金が時に血液にたとえられるのは、どちらも流れていかないといけないものだからです。
どこかで詰まると、またたくまに壊死が広がる可能性があるのです。さて、韓国企業は生き延びることができるでしょうか?
(柏ケミカル@dcp)