2022年も韓国にこの季節が来ました。最低賃金を巡って、経営側と労働者側がどつき合うシーズンです。
来年度の最低賃金を決めるのです。
例年どおりのスケジュールでは、07月中旬までに決定。08月に公表されます。
文在寅前大統領の公約は「最低賃金1万ウォン」だったのですが、これは達成できませんでした。
雇用が大きく失われたためです。これは当然の話で、中小企業、少商工人や個人事業主が高騰した最低賃金を守ることができず、雇用を切らざるを得なかったからです。
最低賃金の上昇は当然大企業の方が影響は軽微で、零細企業にとっては影響は甚大なものになります。
最低賃金を大幅に上げるという政策を推し進めた文在寅大統領は、雇用大統領などといわれていたにもかかわらず、皮肉なことに雇用情勢を不安定にする大統領となったわけです。
労働組合側は「18.9%アップ」を要求か
で、最低賃金ですが、上掲とのとおり文政権下で「2022年:9,160ウォン」と決まりました。
今回、もし最低賃金がすでに退任した文在寅大統領の公約どおり「1万ウォン」に達したら、その影響はどのようなものになるでしょうか。
こういうときは、あの『全国経済人連合会』の出番です。本年も2022年06月27日、「最低賃金上昇が雇用に与える影響」というリポートを出しています。
そのシミュレーションによれば以下のようになります。
最低賃金と失われる雇用(最大)
1万ウォン:-16.5万人
1万500ウォン:-26.4万人
1万890ウォン:-34.0万人⇒参照・引用元:『全国経済人連合会』公式サイト「最低賃金上昇が雇用に与える影響」
あくまでも『全国経済人連合会』の予測ですが、「1万ウォン」まで上がった場合、最大で「16.5万」の雇用が消失するとしています。
また「従事者5人未満の零細事業者で最大7.1万個の雇用が減少する」とも。
労働者側が要求しているとされる「18.9%」上昇の「1万890ウォン」になった場合には、最大で「34.0万」の雇用が失われると予測しています。
さて、尹錫悦(ユン・ソギョル)新政権は、この最低賃金問題をいかに裁くでしょうか。ぜひご注目ください。
(吉田ハンチング@dcp)