文在寅さんは、韓国大統領を退任した後、慶尚南道梁山にある私邸で隠居生活を送っていらっしゃいます。
隠居生活を始めた時点から、近所に保守系の市民団体が押しかけ、連日デモを行っています。
デモ隊があまりに騒ぐので、静かに生活できない上、近隣の住民にも迷惑だとして、文在寅夫妻は市民団体のメンバーを警察に訴えました。
しかし、それでも収まらず、Money1でもご紹介しましたが、現在の韓悳洙(ハン・ドクス)国務総理(=首相)を私邸に招待し、歓談しました。
韓悳洙(ハン・ドクス)さんのその時の発言がデモについて言及していることを鑑みると、文在寅さんから「なんとかしてくれ」と訴えたものと見られます。
それでどうなったのかというと――実はまだデモ隊は頑張っています。文在寅さんの私邸の近所ではデモが行われ続けています。
そんな中、興味深い写真が公開されました(以下)。
なぜ「地政学の力」?
文在寅前大統領の娘さんが、読書している文在寅さんと猫の写真を公開したのですが、後に文在寅さん自身がFacebookにアップロードしました。
微笑ましい写真ではありますが、実は文在寅さんがアピールしたかったのは「本」の方です。
この本はキム・ドンギさん(弁護士)が2020年に出した『地政学の力』という本です。
文在寅さんはFaceBookに「地政学は強大国の専有物ではない」、「地政学的位置は私たちに宿命である。我々は朝鮮半島の地政学をもはや罠ではなく力に変えなければならない」と述べ、「現政府にも一読を勧めたい本」としました。
著者のキムさんは、本の中で以下のように主張しているとのこと。
「朝鮮半島も冷徹に韓半島の最善の利益が何であるかを認識し、その利益のために南北朝鮮が平和体制を構築し、進んで他の国々と関係を結ばなければならない」
※筆者はキムさんの「地政学の力」を未読なので韓国メディアの解説をそのまま引きます
これは、文在寅さんからの弁明(あるいは反論)と推測できます。
つまり「自分の政権が親北の姿勢を取ったのは、大所高所から朝鮮半島の利益を考えたためだった」という主張をしているのではないでしょうか。
文在寅さんは隠居前には「忘れ去られてひっそりと暮らしたい」と言っていたのですが……。
もっとも、検察が必死になっていますので、ひっそり隠居とはいかないですね。
(吉田ハンチング@dcp)