韓国は輸出1本で食べている国なので、貿易でもうけがでなくなると――すなわち貿易収支が黒字でないとすぐに国が傾きます。
このままいくと通関ベースでの貿易終始が5カ月連続で赤字になりそうで、かつ08月20日時点で、2022年01月からの貿易収支(くどいですがあくまでも通関ベース)の累計が「-255億ドル」という巨額になっています。
そのため、韓国メディアでも非常に悲観的な記事が出ています。
ネット上では「おしまいだ」「ベネスエラだ」「大統領が変わったとたんにコレだ」「尹のせいだ」といった書き込みが多くなっています。
尹錫悦(ユン・ソギョル)大統領は「オレのせいじゃねぇだろ」と言いたいところでしょう。
メディア、ネット上の意見があまりにも悲観的なためでしょうか、2022年08月22日、韓国企画財政部が「最近の貿易収支動向関連」というプレスリリースを出しました。
簡単にいえば「慌てるな!」と湧き上がっている危機論を押さえるために出した資料です。
「通関ベースの貿易収支と国際収支統計の貿易収支は違うよ」「経常収支は黒字だから全然大丈夫」という至極全うな内容ですが、このプレスリリースの中に「それ要ります?」というデータが入っています。
以下をご覧ください。
⇒参照・引用元:『韓国 企画財政部』公式サイト「最近の貿易収支動向関連」
ご注目いただきたいのは赤い四角で囲った部分で、主要国の貿易収支の状況という表組が入っています。和訳すると以下のようになります。
⇒参照・引用元:『韓国 企画財政部』公式サイト「最近の貿易収支動向関連」
(通関ベースとはいえ)貿易赤字が積み上がっているのは、原油など資源価格を中心に輸入品目の価格が上昇し、輸入金額が急騰しているためだと説明しています。
その説明の後に、このように主要国だって赤字だよ――という表組が入っているのです。
「韓国だけじゃないよ」というわけです。
ちなみに、日本について出ている数字は合っています。最新の貿易統計は、財務省によれば以下のようになっています。
2022年07月、日本の貿易収支は「-1兆4,368億円」です。
せっかく日本を出していただいて恐縮なのですが、韓国と異なり、日本はもはや貿易収支に頼る構造にはなっておりません。
上期までで日本の経常収支は以下のようになります。
貿易収支で「-5兆6688億円」の赤字ですが、投資からのアガリなどを集計する第1次所得収支が「+12兆8,728億円」と巨額の黒字であるため、結局、経常収支は「+3兆5,057億円」と黒字になります。
韓国の場合は、(国際収支統計の)貿易収支が赤字になったとたん、経常収支が赤字に転落する可能性が高まりますが、日本はそうではありません。
韓国政府は「日本も大赤字」と安心せず励まれた方がよいかと思われます。
(吉田ハンチング@dcp)