韓国司法の判決が歪むのは「歴史教育が歪んでいるから」。「嘘をつく社会や国家は滅び行く」

広告
おススメ記事

韓国の司法は政治から独立などしていません。「いわゆる徴用工」問題で国際法を無視した判決が出るのがその証左です。

文在寅前政権の反日志向が大法院を動かした揚げ句が「いわゆる徴用工」問題に対する判決でした。

文在寅という親北・反日・反米思想に偏った人物が取り返しのつかないことをしでかしたわけですが、金明洙(キム・ミョンス)さんを大法院(最高裁判所に相当)に送り込んで、自身の思うとおりの判決を出させようと企んだのがそもそもの失敗でした。

この時点では、文在寅大統領自身は「日本が怒ったとしても日韓関係は決定的なことにはなるまい」と踏んでいた節があります。

朴槿恵(パク・クネ)政権下での「いわゆる慰安婦合意」(2015年)のように、日本がどこかで折れると見ていたと考えられます。

つまり、甘く見ていたのです。本件が1965年の日韓請求権協定の破棄にまで至るものであることを理解していませんでした。

甘く考えていた傍証があります。日本が強硬にNoと反応して交渉がさっぱり進まなくなり、尹錫悦(ユン・ソギョル)政権に変わった後、韓国の外交部関係者から「日本の強い反応に驚いた」という証言が出てきたからです(韓国メディア報道)。

経済のみならず外交にもド素人だった文政権がやらかしたことは、日韓の間に決定的な対立を生みました。

それは現在も続いていますが、しかし、この根本にはやはり「韓国の歴史認識が事実に基づいていないこと」があります。

韓国の司法は、国際法のみならず「歴史的事実」をも踏みにじったといえます。特に筆者の意見ではありません。「歴史的事実は何か」を追求してこられた韓国の歴史家もそう指摘していらっしゃいます。

60年分の歪みが司法の判決を歪ませるのだ

「韓国の司法で歪んだ判決が出るのも、韓国の歴史教育が事実に基づいていないからだ」と指摘するのは、李栄薫先生が『反日種族主義』の中で述べていらっしゃいます。

以下に引用してみます(強調文字・赤アンダーラインは筆者による)。

嘘の裁判

この国の嘘をつく文化は、遂に司法まで支配するようになりました。

ひたすら事実に基づいて「正義の原則」により裁判を行わなければならない裁判官たちが、何が事実で何が嘘であるのか弁別できず、国の根幹を揺さぶるでたらめな判決を下しています。

嘘の学問が嘘の歴史を作り、若い世代を教えてすでに六〇年です。

嘘の教育を受けて育った世代がついに大法院(日本で言う最高裁)の裁判官にまでなったのですから、この国の司法が嘘の裁判をするのも無理のないことかもしれません。

(中略)

この程度の事実を持って韓国の大法院は日本製鉄の責任を追及しました。

裁判官は歴史家ではありません。当時の戦時期の実態について何も知らない法律家であるというだけです。

であるなら、関連の専門家を呼んで参考証言を聴取すべきではないでしょうか。

しかし彼らは、その必要性すら感じないほどに当時の現実に対し無知でした。

彼らは、原告たちの嘘の可能性の高い主張に対し疑いを持ちませんでした。彼らもまた、幼いときから嘘の教育を受けて来たためです。

彼らは国際人道主義を実現するという溢れるばかりの正義感と使命感で判決を下しました。

それにより、この国家と国民がどれほど大きな対価を払うことになるか眼中にもありません。

嘘をつく社会や国家は滅び行く」という歴史の法則は、こうやって少しずつ実現されて行くのかもしれません。
(後略)

⇒参照・引用元:『反日種族主義 日韓危機の根源』編著:李栄薫,文藝春秋,2019年11月15日 第一刷発行,pp19-22

李先生の指摘していらっしゃる、「事実に基づかない歴史教育を受けた人」が60年分積み重なって、その人たちが大法院の裁判官になっている――という点は極めて重要です。

つまり、韓国の司法からは「歴史的な事実とはいえない認識」に基づいた、反日志向に歪んだ判決が出る傾向があるのです。

「これは民事事件です」という指摘

上掲で「中略」とした部分には、2018年10月末に、韓国の大法院が下した判決についての李先生の意見が述べられています。

この判決については、先の記事でもご紹介しましたが、大法院広報が以下のようなプレスリリースを出しています。

この判決によって、日本の『新日鉄住金株式会社』が原告に対してそれぞれ1億ウォンずつ支払う、という原審判決が確定したのです。

李先生の意見が指摘された最も大事な部分を引用すると以下のようになります(強調文字・赤アンダーラインは筆者による)。

(前略)
大法院の判決文は、当該事件の「基本的事実関係」に対する記述で始まっています。

その部分を読んだ私の所感は、一言で「これは嘘だ」でした。

私はここで判決文の法理に対して論争するつもりはありません。私は法律家ではありません。私の批判の焦点はただ一つです。

その「基本的事実関係」は事実ではないということです。

いえ、嘘である可能性が大きいということです。

大法院は原告の主張が事実であるかどうかを検証しませんでした。

判決文に検証の痕跡を見出せません。私は、我々の高邁なる大法院の裁判官のみなさまにお尋ねします。

嘘の可能性の高い主張を検証もしない裁判が果たして有効なのか。
(後略)

⇒参照・引用元:『反日種族主義 日韓危機の根源』編著:李栄薫,文藝春秋,2019年11月15日 第一刷発行,p20

この基本事実は――原告のうち2人は、当時日本製鉄の募集に応じて大阪製鉄所で訓練工として働いたのですが、宿舎の舎監に通帳とハンコを預かってもらっていたところ、結局舎監がお金を返してくれなかった――というものです。

李先生によれば、当時は寄宿舎で未成年の訓練工や労働者が暮らすことは多く、特に珍しい例ではないとのこと。また、舎監はたいていの場合、朝鮮人であったそうです。なぜなら朝鮮語がしゃべれないと意志の疎通ができないからです。

この訴えでも、後に舎監は原告たちと共に元山に帰国した――とのことなので、李先生の指摘を裏付けています。

その上で、朝鮮総督府のデータなど当時の資料に当たって研究をしてこられた歴史家・李先生の意見は以下です。

(前略)
私の主張は次の通りです。

日本製鉄が原告に賃金が原告に賃金を支払わなかったという主張は成立しない。

強制貯蓄云々という判決文自体がその点を立証している。

賃金が原告に渡されていなかったなら舎監がその犯人である。

しかし果たしてそうだったのかは、舎監を取り調べてみないことには分からない。舎監は未成年者に代わって原告の本家に原告の月給を送金したかもしれない。

要するに当該事件は原告と舎監の間の民事事件である。
(後略)

⇒参照・引用元:『反日種族主義 日韓危機の根源』編著:李栄薫,文藝春秋,2019年11月15日 第一刷発行,p21

国際法違反の判決であるものの、こうして紐解かれてみると、そもそも事実関係をきちんと精査して判決を出しているのか?という点も甚だ疑問な案件であることが分かります。

しかし、最も重要なのは、韓国の司法が事実に基づかない歴史認識によって歪んだ判決を出す傾向があるという点です。60年分の歴史教育の歪みがそうさせています。

日本はそのような前提の上に、韓国という国に相対すべきなのです。

李先生が指摘していらっしゃる「嘘をつく社会や国家は滅び行く」という警句には特に注意を払う必要があるでしょう。

上掲のとおり、『反日種族主義』という本は非常に興味深い内容の優れた著作です。もしご興味があれば、ぜひご一読ください。

日本人がかつて朝鮮半島で何を成したのかが分かります。これもまた、日本の歴史の一部であるはずですから。


↑浅学非才の身ではありますが筆者も一応購入して読んでおります。

(吉田ハンチング@dcp)

広告
タイトルとURLをコピーしました