惨憺たる業績ですがやっちゃったものを仕方ありません。
巨額赤字に転落するという予測されていた『韓国電力公社』の業績が出ました。これが惨憺たる結果です。
以下の連結の業績をご覧ください。
2021年連結
総売上:60兆5,748億ウォン(+3.4%)
営業利益:-5兆8,601億ウォン(-243.4%)
当期純利益:-5兆2,292億ウォン(-349.9%)※( )内は対前期増減率
⇒データ引用元:『韓国金融監督院DART』公式サイト
売上高は「+3.4%」と増えているのに、営業利益は「-243.4%」、当期純利益に至っては「-349.9%」です。
「2020年営業利益:+4兆862億ウォン」から「2021年営業利益:-5兆8,601億ウォン」まで、天地が「-9兆9,464億ウォン」もあるのです。
営業利益が10兆ウォンも減りました。なんという業績の転落ぶりでしょうか。
2020年はやっと黒転だー!と喜んでいたのに、この劇的な赤字転落です。
このようになった主要因は、発電用の石炭、石油価格が上昇したことです。加えて、文在寅政権が燃料価格の上昇まかりならんとして、電気料金の値下げを凍結させたためです。
『韓国電力公社』は、燃料の値上げを(やっと)電気料金に反映させることができるようになったのですが、政権への支持を失いたくない文政権はこれを封じました。もちろん「コロナ禍で傷んだ国民生活を守るため」という大義名分はありますが、「公社」ですから、どのみちこの損失は税金で補てんすることになるのです。
それなら電気料金をきちんと合理的な価格にして、たくさん電気を使う人はその分料金を多く支払うとした方がよほどフェアです。やっと04月から電気料金は値上げされる予定ですが、本件への不平不満は新政権ではなく、文政権が負うべきです。
原子力発電は大黒字でした!
さらに傑作な事実があります。
この業績は連結です。すなわち『韓国電力公社』の下にある6つの発電会社の業績を足し込んだもの。
以下の各発電会社の当期純利益をご覧ください。
『韓国中部発電』:+548億ウォン
『韓国東西発電』:+108億ウォン
『韓国西部発電』:-1,715億ウォン
『韓国南東発電』:-580億ウォン
『韓国水力原子力発電』:+3,022億ウォン
原子力発電を担当する『水力原子力発電』は真っ黒の黒字です。燃料価格が高騰しているのに電気料金を値上げしないという判断をしたにも関わらず、原子力発電はしっかり黒字を出したのです。
韓国のような資源がない国にとっては、「原子力発電は経済的合理性を持っている」ことを図らずも証明したのです。
もちろんひとたび事故を起こしたら大変な事態になりますから原発の稼働・運転は慎重に行うべきです。しかし、文大統領の「脱原発」スローガンはもっと現実に即したやり方で実践すべきだったのです。
この巨額の赤字は上記のとおり、国民が被ります。
(吉田ハンチング@dcp)