即座に「できませんよ」と言いたくなる記事が、韓国メディア『韓国経済』に出ています。
パク・スジン論説委員の手に成る記事ですが、ウォン安がいよいよ1,400ウォンに迫ったので、またぞろ「通貨スワップがいるぞ」と叫ぶ記事です。
当記事では、バイデン大統領と尹錫悦(ユン・ソギョル)大統領が首脳会談を行った際に約束した「通貨安定についての協力はどうなったんだ」と、合衆国の態度を非難しています。
以下に記事の一部を引用します。
(前略)
別の代替案として浮上したのが通貨協力体系の構築だ。去る05月21日、米韓首脳会談の時、「両国は持続可能な成長と秩序正しく機能する外国為替市場を含む金融の安定を促進するため、外国為替市場の発展について緊密に協議する必要性を認識する」と共同声明を発表した。
通貨スワップよりもより確実な保険という評価が出た。
しかし、どうしたものかその後、情報は一切出ない。
過去に多くの危機説が説だけに終わった理由は徹底的に準備したからだ。今は「未曾有の複合経済危機」であるのに、対応は壊れたレコードのように変わらない。
「ファンダメンタルは良好だ」「状況を適宜注視している」と話すだけだ。
確実な安全弁が必要に見える。
アメリカにその役割を期待するのは無理なのだろうか。
外為市場を含む金融安定について米韓で協力する――としたのに
通貨スワップよりも確実な保険だと思ったのに――
「合衆国はなんにもしてくれない」と慨嘆しています。
もう何度だっていいますが、合衆国はドルの流動性を絞ろうとしています。インフレを抑えるためです。20~21日に迫っている『FOMC』(Federal Open Market Committeeの略:連邦公開市場委員会)では、またジャイアントステップ(0.75%=75bp)の利上げを行うと見られます。
そのような流動性を絞る状況で、韓国にドル流動性スワップ(韓国側呼称は「通貨スワップ」)を提供するとは考えられません。
先にご紹介したとおり、そもそも『韓国銀行』の李昌鏞(イ・チャンヨン)総裁は「通貨スワップでドル強を止められるというのは誤解」と明確に述べています。
現時点で、スワップラインを締結するのは無理と思われますので、合衆国をいかに恨んでも仕方がないのです。
(柏ケミカル@dcp)