日本・岸田文雄首相と韓国・尹錫悦(ユン・ソギョル)大統領の初の対面会談が、来る国連総会を機に開催される――ということになっています。
少なくとも韓国では。
日本政府は「決まっていません」とばっさり
2022年09月15日、大統領府の金泰孝(キム・テヒョ)国家安保室第1次長が記者ブリーフィングで「日韓過首脳会談が開催されることで合意した」と公表し、韓国メディアも一斉に報じました。
これについてはMoney1でも「速報」でご紹介したとおりです。
ところが、このブリーフィングの後、日本の首相官邸からこれを真っ向から否定するようなコメントが出ました。
同日午後の松野官房長官の記者会見において「岸田首相のスケジュールは決まっていない」と明言(以下首相官邸のホームページのスクリーンショット)しました。
⇒参照・引用元:『日本国 首相官邸』「令和4年9月15日(木)午後」
↑『テレビ東京』のYouTubeチャンネルで公開している松野官房長官の定例記者会見の動画。「日韓首脳会談は開催されるのか」という質問は03:27辺りです。
「韓国が公表した日韓首脳会談が開催されるという件について事実関係の確認」を求められたのですが、松野官房長官は、「岸田首相は諸般の事情が許せば国連総会への出席を調整しているが、具体的な日程についてはいまだ決まっていません」とバッサリ切って捨てました。
つまり、日韓首脳会談が開催されるとは決まっていません――と述べたわけです。
韓国の大統領室は「開催に喜んで合意した」と発表したにもかかわらず、です。誰が喜んで合意したのでしょうか。
韓国メディアでは開催が規定路線!
例えば、『NEWSIS』には「日韓首脳2年10カ月ぶりに首脳会談…関係改善の転換点になるか」というタイトルの記事が出て、日韓関係が好転するかもという期待をにじませています。
『中央日報』は「尹政府、徴用問題外交的解決法の模索に…日本、首脳会談で呼応」というタイトルの記事を出しています。
尹錫悦(ユン・ソギョル)政権が「いわゆる徴用工」問題の解決に努力したので、日本は首脳会談の開催に合意して応えた――というストーリーラインを描いています。
大統領府からの公表が「開催決定」と断定したものであってので、韓国メディアがこのように書いても当然でしょう。
しかし、「本当は何も決まっていない」だとすると、この後、日韓首脳会談が開催されなければ大統領府は国民に対してうそを言ったことになります。
「フライングでした。テヘペロ」では済まないでしょうし、「勝手に決まってもいないことを発表しやがった」と、日本政府の韓国に対する心証はさらに悪化します(もう悪化しているでしょう)。
「会談時間は30分」などと公表しているところを見ると、「出待ちして捕まえればこっちのもの」と考えているのかもしれません。
この首脳会談開催問題、以降どのように転がるでしょうか。必見です。
(吉田ハンチング@dcp)