韓国が支払わない原油代金70億ドルの件です。Money1でもご紹介したとおり、イラン政府は国会に「紛争の調停を付託する」承認を得ようとしています(イランメディア『IRNA』報道他による)。
韓国はどうする?ですが、これについて韓国外交部の定例記者ブリーフィングで質問が出ました。外交部のプレスリリースから以下に該当部分を引用します。
<質問>
イランメディアによると、イラン政府が国内銀行に凍結された9兆ウォン規模の資金を回収するために訴訟を起こすということですが、もし関連する立場があれば教えてください。
(『聯合ニュースTV』チェ・ジウォン記者)<回答>
現在、韓国とイラン、そして関連国間には凍結資金の問題を解決するために、外交チャンネルを通じて引き続き協議を続けています。先ほどお問い合わせいただいた内容は、去る2021年09月に『イラン中央銀行』の国内ウォン貨凍結資金に関する投資家と国家紛争解決の仲裁意向書を受け取ったことがあります。
ただし、このような仲裁意向書を受領してから6カ月以内に紛争未解決の場合、仲裁提起が可能ですが、『イラン中央銀行』側はまだ正式な仲裁を提起していない状態です。
⇒参照・引用元:『韓国 外交部』公式サイト「スポークスマン定例説明(08.01)」
驚くのは、2021年09月時点で「仲裁意向書」を受け取っていたことです。
つまり、この時点でイランは「紛争解決のために法的措置を取るぞ」という意向を韓国側に示していたことになります。
2021年09月というと、イランが韓国に対して圧迫を加えていた時期です。
2021年は、01月04日の「イランの革命防衛隊が韓国のタンカーを拿捕し、ペルシャ湾のバンダル・アッバース港に牽引する」という事件から始まっています。
この事件でも「未払いの原油代金を支払え」という圧力があったと推測されています。
08月には「原油代金を支払わなければ韓国の家電製品を販売禁止にする」という動きもありました。
イランは2021年09月の時点で仲裁意向書を韓国側に送り、6カ月以内に紛争解決はなりませんでした。これに符合するのは、2022年02月に行われたイラン-韓国の協議です(以下の先記事を参照してください)。
この会議でも、韓国は支払えないとしましたので解決せず。
6カ月が過ぎたのですが、これまでイラン(『イラン中央銀行』)は仲裁提起を行っていませんでした。これは上掲で韓国外交部の報道官が述べたとおりです。
しかし、今回イラン側は国会での承認を取り付ける手続きに入ろうとしています。
これが通過すればいよいよ本当に仲裁提訴に乗り出すと見られます。締結した協定に定められた条項に従って行われるので、もし提訴されたら韓国は受けて立たねばなりません。
(吉田ハンチング@dcp)