韓国が軍事的な技術もリバースエンジニアリングによって盗用している――という疑惑が提起されるのは「実際に行った過去」があるからです。
KF-21ポラメに絡んで、ちょうど韓国左派メディア『ハンギョレ』が過去の事例をきれいにまとめてくれていますので、これを以下に引用します。
※強調文字、赤いアンダーラインは引用者による。
(前略)
独自のプラットフォームの重要性を語る時、2011年の「タイガーアイ」事件がよく登場する。タイガーアイはF-15K戦闘機の胴体の下に装着されているセンサーで、夜や悪天候でも正確に爆撃できるようにする装備だ。
2011年08月、米国防総省の非拡散担当首席副次官補など11人の調査団一行が韓国を訪問した。
彼らは、韓国が米国から購入した戦闘機F-15Kのセンサーであるタイガーアイの無断分解疑惑を調査しに来た。
米調査団は、韓国空軍の高官と空軍の整備場の関係者を呼び、刑事が犯人を取り調べるかのようにどやしつけた。
当時、韓国空軍は「タイガーアイがあまりにも故障するので、異物が入っているかを確認するために整備した」と釈明したが、米国は大声を張り上げて机と壁を拳で叩くなど、韓国空軍関係者を追い詰めたという。
当時米国は、表向きではタイガーアイの封印無断毀損を問題視したが、実は韓国がタイガーアイを分解した目的が当時開発中の韓国型戦闘機に適用する技術を流出させるためではないかと疑っていた。
韓国が1970~80年代に米国産兵器を分解した後、そのまま真似て逆設計したように、今回もそうしたのではないかという疑いだった。
タイガーアイの封印毀損問題は「兵器は売っても技術は売らない」という米国の兵器輸出原則によるものだ。
米国が韓国に対しこのような原則に固執するのは、韓国型戦闘機が量産されれば韓国に売る米戦闘機の規模が減るためだ。
(後略)⇒参照・引用元:『ハンギョレ(日本語版)』「初の韓国型戦闘機KF-21飛翔…「米国から怒号」受けた空軍の屈辱から11年(2)」
「タイガーアイ」というF-15Kに装備されたサンサーの封印を勝手に開け、合衆国から派遣された調査員に、韓国空軍の高官と空軍の整備場の関係者が「刑事が犯人を取り調べるかのように」どやしつけられました。
傑作なのは、同記事で「韓国は1970~80年代に米国産兵器を分解した後、そのまま真似て逆設計した」と過去の「技術をパクった件」を正直に認めていることです。
このような過去があるので、「タイガーアイをバラしたのはパクるためだな!」と合衆国が激高しても当然でしょう。
同記事は「実は合衆国は……」などと書いていますが、「実は」も何も、合衆国の疑念はそのまま真実を突いていたのではないでしょうか。
その上、「技術は売らない」と合衆国が固執しているのは、技術が流出した場合、韓国に兵器が売れなくなるからだ――などと、まるで合衆国が悪いといわんばかりの書きようです。
合衆国が巨額を投入して開発した自国の軍事技術を守ろうとするのは当然のことです。だからこそ核心の装備には封印を施し、破るなよと契約を結んでいるのです。
破ったら怒鳴られても仕方ないでしょう。
「韓国は契約を締結しても平気で破る」というのは、このような例からも分かります。
(吉田ハンチング@dcp)