ウォン安阻止のためには「ドル売りウォン買い」を行わなければなりませんが、韓国通貨当局がいかにドルを溶かしたか、その実体が明らかになりました。
2022年09月30日、『韓国銀行』が「外国為替当局の純取引(第2四半期)」のデータを公表。以下がそのリリースです。
↑Googleの自動翻訳なので日本語がヘンなところがありますがご寛恕ください。22年第2四半期中に市場安定化のために外国為替当局が外国為替市場で実施した外国為替取引額
ㅇ外国為替純取引額:-154.09億ドル
⇒参照・引用元:『韓国銀行』公式サイト「外国為替当局の純取引(第2四半期)」
この数字は、外貨を買った量から売った量を引いたもので、マイナスになっているということは、それだけ外貨を売り越したことを示します。
つまり、ウォン安を食い止めるためにドル売りウォン買いを行い、「154.09億ドル」も溶かしたわけです。
この溶けっぷりは、韓国史上最高金額となります。
チャートで確認してみましょう(チャートは『Investing.com』より引用:日足)。
先にご紹介したとおり、韓国外為当局は2022年第1四半期には「83億1,100万ドル」を溶かしています。これは心理的な抵抗線「1ドル=1,200ウォン」を守るためにドル売りウォン買いを行ったためと見られます。
上掲のとおり、第2四半期にはウォン安がさらに進行して「1,200ウォン」を突破。「1ドル=1,300ウォン」をうかがう位置まで上昇しました。この通貨防衛の過程で「約154億ドル」が溶けたようです。
2022年に溶けたドルは第1四半期、第2四半期合わせて「237億2,000万ドル」です。
しかし、上掲のとおり、第3四半期にはとうとう「1ドル=1,400ウォン」も抜き「1,440ウォン」に達しています。
当局がウォン安阻止に乗り出していないわけがないので、第2四半期よりもさらにドルを溶かしたものと推測できます。
これだけのドルを溶かしてもウォン安を阻止できていません。
(柏ケミカル@dcp)