ウォン安が進行、アメリカ合衆国との金利差が拡大し、韓国から資金が抜けるのではないかと懸念されています。
『韓国銀行』の李昌鏞(イ・チャンヨン)総裁は、「過去にも米韓で金利差が逆転することはあったし、過剰に心配することはない」としていました。
しかし、世界的に景気が後退局面に入るのではないかと懸念される状況です。いたずらに楽観視はできないでしょう。
2022年11月09日、『韓国銀行』から「2022年10月の国際金融・外国為替市場動向」が公表されました。この中に「10月の株式・債券市場における外国人投資家の資金投入状況」を示すデータがあります。以下をご覧ください。
2022年10月
株式:+24.9億ドル
債券:+2.8億ドル
小計:+27.7億ドル2022年01~10月
株式:-85.0億ドル
債券:+138.2億ドル
小計:+53.2億ドル
このデータは「買収 – 売却」で純買収、すなわち「買い越し」の金額を示しています。
ご注目いただきたいのは、債券市場での資金投入規模です。わずか「2.8億ドル」しかありません。
先月の「-6.4億ドル」から回復してはいますが、たったの約3億ドルとは昨年の好況はどこへいったやら、です。
※上掲のとおり2021年は外国人投資家は累計「561.5億ドル」も買い越しています。
また、株式市場においては「+24.9億ドル」と買い越し金額が、前月比で黒転したのですが、01~10月累計では「-85.0億ドル」です。
韓国メディアでは、いつものごとく「外国人投資家が帰ってきた!」と書いているのですが、いささか気が早い話といえます。毎度のことで、これは様子を見ないと分かりません。
韓国債券市場の不信が高まっている現在ですから、11月にどのような結果が出るのかにご注目ください。
(吉田ハンチング@dcp)