以前ご紹介したとおり、韓国では借金を借金で返済するというのが常態化しており、徳政令など何回出しても同じです。
チャラになったり、負債を圧縮するための施策を政府が行ったりしても、借金を重ねてまた元どおり。ザルで水を汲むようなものです。
2024年07月12日、五大銀行の個人事業主への融資が2024年上半期で激増したというデータが出ました。
韓国の五大銀行というと、
『国民銀行』
『新韓銀行』
『ウリイ銀行』
『ハナ銀行』
『農協銀行』
ですが、この5行合計で2024年上半期末時点で「個人事業主向け」のローン残高が「324兆7,159億ウォン」。
2023年末時点から5兆2,223億ウォンも増加しました。
2023年同期(2022年末 ⇒ 2023年上半期末)の増加額は「1兆2,838億ウォン」でしたから、2024年は昨年と比べて約4.1倍になっています。
なぜこれほど個人事業主の借金が増えたのか?
なぜここまで個人事業主向けの融資が増加したのでしょうか?
まず、Money1でもご紹介してきた「個人事業主向け返済猶予措置」が、2023年09月末で終わったことが挙げられます。
この猶予措置終了によって、これまで支払わなくて済んでいた元利返済をまた行わなければならなくなりました。そのため、お金に窮した個人事業主が新たな融資を受け、借金を借金で返済するという「元の木阿弥」コースに入ったのです。
金融業界からは「借金を返すお金がない個人事業主が、家を担保にさらに別の借金をしている」という指摘が上がっています。
二つ目は、金利の上昇です。五大銀行の貸し出し金利は、2024年に入って上昇しているのです。
(五大銀行の平均金利)
2023年:2.34~3.62%
2024年03~05月:4.99~5.87%
あくまで平均金利ですが「2.25~2.65%」も上昇しています。金利が上昇すれば利払い額が増加して当然です。
冒頭でご紹介したとおり、韓国の皆さんというのは基本的に同じです。借金で借金を返済するのが常態化しており、当然という風が染み付いています。
こんな慣い性の国ですから、何回徳政令を出そうが同じです。
よせばいいのに、(先にご紹介したとおり)尹錫悦(ユン・ソギョル)政権は、「小商工人を支援した政策資金の返済を最大5年延長し、5兆ウォン規模の転換保証」を08月から行うのです。
悪い言葉を使えば「泥棒に追い銭」みたいな話です。
「借金は自分の責任(自分の稼ぎ)においてきちんと返す」という民度にならなければ、「借金⇒徳政令⇒借金……以下同じ」という世にもあほらしい繰り返しはなくなりません。
ザルで水を汲むというよりも、賽の河原と言ったほうが適切かもしれません。
(吉田ハンチング@dcp)