韓国メディアでは「グローバル中枢国家」という言葉がよく登場します。韓国自身のその一員だ――としているのですが、自分でそんなことをわざわざ言う国はあまりないでしょう。
他国から認められたグローバル中枢国家ではないから、自称しないと仕方ないのです。
そのため、韓国は「G7」という呼称に執着します。
「G7のメンバーである」ことは「グローバル中枢国家であること」を示す――と考えるからです。
韓国メディア『KBS』がおっかしな記事を出しています。「外交部はG7+に入るのを諦めたのか?」という内容です。面白いので、以下に記事の一部を引用します。
まず冒頭部分です。
「近い将来、韓国のG7プラス加入の可能性を念頭に置き、グローバル中枢国家ビジョンの実現に具体的な成果を積み重ねていくことで、在任期間中にG7プラス候補国の地位を確固たるものにしたいと考えています」
昨年01月、趙泰烈(チョ・テヨル)外交部長官は就任演説でG7プラスへの加入についてこのように語った。
主要7カ国(G7)はアメリカ、イギリス、フランス、カナダ、ドイツ、イタリア、日本です。しかし、先進国を代表してきたこれらの国にはもはや代表性がないという指摘が絶えず提起されてた。
特に、昨年からワシントン政界を中心に、経済成長と国格成長を成し遂げた韓国をG7グループに含めて外延を拡大すべきだという声が本格的に出てきた。
このような流れに合わせ、趙兌烈(チョ・テヨル)長官は「G7プラス加入」を任期中に必ず成し遂げたい政策1番に挙げたのだ。
(後略)
いきなりこれです。
一万歩譲って「G7の各国にはもはや代表性がないという指摘が絶えず提起されてきた」はまだしも、「経済成長と国格成長を成し遂げた韓国をG7グループに含めて外延を拡大すべきだという声が本格的に出てきた」はおかしな言説です。
この後もおかしな主張をしています。以下に引きます。
(前略)
しかし、12月03日の戒厳令宣言により、このような計画は事実上水泡に帰した。国内政治が極度の混乱を起こし、全世界に生中継される状況で、韓国が先進国グループに加入することは不可能だからだ。
外交部は今日(16日)、政府ソウル庁舎で崔相穆(チェ・サンモク)大統領代行主催で開催された「主要懸案解決会議」で、外交部の主要推進計画を報告した。
趙兌烈(チョ・テヨル)長官が成し遂げたい政策1番目、G7プラス加入に関しては、「韓国の対外政策の一貫性を維持するため、G7との協力強化を持続的に推進する」とだけ記した。
外交部当局者は「国内政治状況もあるので、この部分(G7プラス加入)は長期的な課題という認識の下、主要国の共感を得る努力が重要」と説明した。
この当局者は、「変わったのは国内情勢、政治状況であって、G7プラスの必要性が変わったわけではないので、そのような部分はもっと長期的な観点から持続的な努力が必要な課題ではないかと思う」と付け加えた。
わずか2カ月前までは現実性のある課題だったが、政治的な不確実性の波の中で、「先進国グループ」への編入は現時点では不可能になったという政府レベルの判断が出たのだ。
(後略)
「どこもかしこもツッコミどころ」という、韓国メディアならではの文章です。
「韓国のG7プラス入り」は、わずか2カ月前までは現実性のある課題だった――そうですよ。
「非常戒厳宣布」がなければ「G7プラス」とやらに成りおおせていた――といわんばかりです。そんなことを信じているのは、韓国メディアだけでしょう。
(吉田ハンチング@dcp)