2023年10月19日、韓国の金融通貨委員会は基準金利を「3.50%」で凍結することを決めました。
これで6回連続の凍結です。アメリカ合衆国との金利差は上限で「2.00%」で変わりなしです。
韓国:3.50%
※韓国でいう基準金利と合衆国でいう政策金利は同義です。
『韓国銀行』は今回の据え置き決定について、以下のように説明しています。
金融通貨委員会は、次の金融政策方向決定まで韓国銀行の基準金利を現行水準(3.50%)で維持して金融政策を運用することにした。
物価上昇率が基調的な減速の流れを続けると予想されるが、主要国の金融引き締め基調の長期化、地政学的リスクの増大などで物価及び成長見通しの経路の不確実性が大きく高まる中、物価上昇率の減速速度が当初の予想より緩やかになると予想され、家計負債の増加の流れも見守る必要があるため、現在の緊縮基調を維持することが適切であると判断した。
追加引き上げの必要性は、内外の政策環境の変化を点検しながら判断していく。
(後略)⇒参照・引用元:『韓国銀行』公式サイト「통화정책방향(2023.10.19)」
注目ポイントは以下の金融面での指摘です。
■金融・為替市場は、合衆国FRBの高水準の政策金利の長期化示唆、地政学的リスクの増大などでボラティリティが拡大する中、長期国債金利とウォン/ドル為替レートが大幅に上昇し、株価は下落した。
一部の非銀行部門のリスクは落ち着いている。
住宅価格は首都圏を中心に上昇傾向が続き、家計ローンは住宅関連ローンを中心に増加傾向が続いた。
⇒参照・引用元:『韓国銀行』公式サイト「통화정책방향(2023.10.19)」
『韓国銀行』も合衆国の高金利が長期化するのではないかと懸念していることが分かります。また、ここのところのウォン安の進行を「大幅なもの」であると見ているのです。
では、合衆国の政策金利の見通しはというと、『FOMC』(Federal Open Market Committeeの略:連邦公開市場委員会)が13日後に迫っています。
『CME』の「Fed Watchによると、2023年10月19日10:55現在、以下のようになっています。
「5.25~5.50%」が95.9%ですから、現状維持が濃厚です。今回の韓国金融通貨委員会の決定は安心して行えたでしょう。合衆国が上げる可能性はほとんどないのですから。
問題は、この高金利状態が続いてしまうことです。韓国は金利が上げられる状況にはありません。景気が低迷していますので、本当なら下げたいのですから。
(柏ケミカル@dcp)