ゾンビ状態でもまだ動いている韓国『双竜自動車』。法定管理下にあり、再建か清算かについてはまだ判断が出ていませんが、アメリカ合衆国『HAAHオートモーティブ・ホールディングス』は結局投資の意思を明らかにしませんでしたし、買収に手を挙げている企業はあるものの、それが本当に進むかどうかは全く分かりません。
2020年度の決算が会計監査法人の意見拒絶を受けて、先にご紹介したとおり上場廃止要件を満たしましたので、株式市場からの撤退が決定的となっていました。
ところが、2021年04月13日、『双竜自動車』は上場廃止の異議申し立てを行ったのです。
『双竜自動車』の貸借対照表を見ると、
負債:1兆8,567億ウォン(約1,801億円)
で「881億ウォン」(約85億円)の債務超過です。「債務超過」というのは、総資産の量を総負債の量が上回ることです。すなわち、保有する全ての資産を処分しても負債を返せない状態です。
もちろん、債務超過に陥った企業の全てが倒産するわけではありませんが、『双竜自動車』の場合には「企業の継続性」に疑念を持たれても当然で、会計監査法人が意見表明を拒否してもむしろ当然でしょう(なにせ16四半期連続赤字)。
『双竜自動車』が今回異議申し立てを行ったのは、保有資産の再評価を行った結果、
の土地が「6,813億7,000万ウォン」(約661億円)となり、資産が差し引き「2,789億8,567万ウォン」(約271億円)増加。
そのため、債務超過が解消されたからだというのです(差し引きで資産が負債よりも「1,908億8,567万ウォン(約185億円)」多くなった)。
――このような資産評価の差異で『双竜自動車』の「もうからない企業であり、すでにキャッシュを使い果たした」という根本の問題が解決されるわけではありません。
『双竜自動車』の異議申し立てに対して韓国証券取引所がどのような判断をくだすのか、ぜひご注目ください。
(吉田ハンチング@dcp)