韓国メディア『朝鮮日報』がダボス会議を機に、イェール大学のTimothy Snyder(ティモシー・スナイダー)教授にインタビューを行い、「韓国はもはや大国である」といわれた――と喜びの記事を出しています。
※ティモシー・スナイダー先生は、イェール大学の歴史学およびグローバル・アフェアーズの教授で、「リチャード・C・レヴィン記念講座教授」の称号(正式な肩書はRichard C. Levin Professor of History and Global Affairs)を持っています。
以下に該当箇所を引用します。
(前略)
――なぜ韓国は不安を感じていると考えますか?「韓国は日本の植民地支配、朝鮮戦争、アメリカの支援、独裁時代を経て、民主主義と経済的繁栄を成し遂げ、文化強国となった。
しかし、中小規模の国家が世界的な国家に成長すると、『自信の危機』に陥ることがある。
韓国は今、まさにその段階にあるのではないか。
重要な国になれば、それだけ責任が増える。これは、かつて小国だった国にとっては恐怖に感じることかもしれない。
しかし、韓国はもはや目立たない国家に戻ることはできない。なぜなら、経済規模や文化的影響力の面で、韓国は極めて重要な国になったからだ」
――しかし、韓国人の中には「韓国は小国だ」と考えている人も少なくありません。
「韓国国内の政治的混乱も、この『自信の危機』と無関係ではないでしょう。
しかし、もはや『私たちは小国だから静かにしている』という選択肢は存在しません。
文字どおり、世界が韓国を注視しています。
韓国は今、どのような決断を下すのかが問われています。単に外部環境がどうなるかを考えるのではなく、韓国は何を目指すのか、どのような価値観を持ち、どのようなビジョンを提示するのかを世界に示すべきです」
(後略)⇒参照・引用元:『朝鮮日報』「”한국, 다른 나라 뒤에 숨을 수 있는 작은 나라 아냐… 능동적 결정해야”(韓国はもはや他国の陰に隠れられる小国ではない…主体的な決断を下すべきだ)」
ここだけ読むと、韓国が大国になったと称えているだけのように見えますが、実はこの後はウクライナ・ロシア戦争につながります。いわば前フリです。
スナイダー教授は「ロシアに妥協するのは危険だ」として、「現実主義を掲げて価値や原則を軽視するのは危険です。もしそれを許せば、韓国のような国がどうして存在できるのでしょうか?」と述べています。
つまり、韓国を褒めていますが、応分の責任を果たせ――といっているのです(ぜひ原文の記事をご覧ください)。
スナイダー先生は一つ、大きな誤解をしていらっしゃいます。
韓国は大国(?)になったからといって、世界のために何か貢献するという国ではありません。韓国が「先進国」と呼ばれたいのは「他の国に言うことをきかせられる」と考えるからです。
これまではルールを守る側だったが、韓国はルールを作る側になったのだ――これが韓国人の考え方です。
従って、韓国が「世界のために何かを主体的に行う」ことを期待するのは間違っています。
(吉田ハンチング@dcp)