韓国の政治状況についてです。2024年04月に行われる総選挙に向けて、与党『国民の力』と野党『共に民主党』の対立が激しくなっています。
2023年06月19日、『共に民主党』の李在明(イ・ジェミョン)党首が、まさに「李在明です」としか評せないような演説を行いました。
何を述べたかというと、過半数を締めているはずの国会で自党の強みが発揮できないことへの苛立ち、検察によって過去の悪事が次々と暴かれていることの恨みツラミ、科学的根拠の全くない福島処理水放出への反対――です。
実際の発言は以下になります。
「大統領の「拒否権」に阻まれ、立法府は正常に機能できなかった」
「憲法の価値を守り、国民の人権を保護すべき検察は、『私たちの』大統領を守ると言って、国民に向け容赦なくナイフを振り回している」
「腕章をつけた監査院は、憲法上の独立機関である権益委員会と選挙管理委員会を屈服させようと手段を選ばない」
(建設労組の成員で自死したヤン・ホドンについて)「政府の誰もこの死について反省していない。大統領が言う『私たちの国民』には、政府と考えが異なる労働組合、市民団体、国民は含まれていないようだ」
「解放されてからすでに80年が経ったが、日本はまだ強制動員を謝罪していない」
「それにもかかわらず、韓国政府は『第三者弁済』を掲げて日本の謝罪の機会さえもなくした」
「政府が一方的に譲歩をしたカップを日本は福島汚染水(原文ママ:引用者注)で満たそうとしている」
「韓国政府は国民の不安と懸念を『怪談』と決めつけ、司法措置すると脅迫している。堂々たる態度ではない。臆病だ」
「他の被害国のように反対の意思を明確に表明すべきだ。被害国と連帯して国際海洋法裁判所に提訴し、放流禁止の一時措置も要求してほしい」
「増大する北朝鮮の挑発に備え、韓半島の平和と非核化のための中国の役割が重要だ」
「福島の汚染水放流対応(原文ママ:引用者注)にも協力すべきことが多い」
「グローバル無限競争の時代の外交は、国益を最優先する『戦略的自律外交』に転換しなければならない」
「イデオロギー中心、陣営中心の『盲目的偏向外交』は決して答えにならない」
『共に民主党』が繰り出す、無茶苦茶な法案が国会で通過しても法律にならないのは、尹錫悦(ユン・ソギョル)大統領の拒否権発動が掣肘しているからです。
前文在寅政権末期に通過した、例の「検察から捜査権を完全に剥奪する法案」は、大統領が文在寅だったため、当然のごとく拒否権を発動せず。文在寅は「これでオレは次期政権になっても大丈夫だ」と青瓦台を去っていったのです。
「自身の保身のために法律を成立させる」などの無茶苦茶を行った『共に民主党』は指弾されて当然です。ましてや、疑惑だらけの李在明(イ・ジェミョン)のような人物に批判される筋合いはありません。
次期総選挙に向けて「選挙管理委員会」の改革(具体的には文在寅政権によって据えられた人物を全て除くこと)が必要で、監査院は大きな働きをしています。詳細は別記事にいたしますが、左派・進歩系にとってはこれが都合が悪いので、李在明(イ・ジェミョン)が批判しています。
福島処理水についての主張は、愚かなことこの上ありません。中国と連携して日本を圧迫すべきと述べています。かつての「合衆国産の牛肉を食べると狂牛病になる」というデマを流したときと同じで、国民を煽動して自らの支持を集めようというやり口です。
こういうのをデマゴーグといいます。
また、第三者弁済プランについても「日本に謝罪の機会を与えるはずだった」といい、政府が譲歩した分を「福島汚染水で満たそうとしている」とも。
すごいのは「『戦略的自律外交』に転換しなければならない」です。恐らく中身は何もありません。文政権時代と同じく、米中の間を右往左往しよう――です。この人は大衆受けするなら、科学的な根拠が何もなくても平気なのです。
大統領選挙の際には「ウォンは基軸通貨になれる」と言い、経済学者から失笑を買いました。
「イデオロギー中心、陣営中心の『盲目的偏向外交』は決して答えにならない」は、そっくりそのまま李在明(イ・ジェミョン)に返せます。文在寅が行ったものこそ北朝鮮への盲目的偏向外交であり、李在明(イ・ジェミョン)が行おうとしているものは「中国への事大外交」です。
このような主張の党首がいる『共に民主党』への支持率は、約40%あるのです。
岸田政権は「日韓雪解けだ」などと浮かれている場合でしょうか。韓国が世界一の反日国家であるという素地は全く変化していないことを理解すべきでしょう。
(吉田ハンチング@dcp)